IoTのPaaS(Platform as a Service)を提供するAyla Networksは、セルラーLPWAを活用したIoT市場に進出すると発表した。
Aylaの合弁企業パートナーであるサンシー・テレコミュニケーションズ(日海通訊、Sunsea Telecommunications)は、AylaのIoTデバイスエージェントを出荷時にプリインストールしたIoTデバイス向けの新たなセルラー通信モジュールを発表。
サンシーの新しいセルラーIoTクラウド通信モジュールは、サンシーの子会社であるSIMCom Wireless SolutionsとLongsungにより製造される。
サンシーの通信モジュールは、IoT機器向けLTE規格であるNB-IoTおよび4G、2G携帯通信網に対応しており、セルラーIoTソリューション向けに、エッジデバイスからクラウドまで設定不要のセルラーコネクティビティ、デバイス管理、アプリケーション構築環境を提供する。
今後は、Aylaのエージェントが動作するこれらのIoTデバイス向けセルラー通信モジュールを使用して、テレコムサービスプロバイダー、モバイルネットワークオペレーター(MNO)、IoTデバイス製品のメーカーは、セルラー通信を使用するIoTソリューションを導入できるようになる。
現在、IoTソリューションは一般的にWi-FiやBluetoothなどの短距離ワイヤレス通信プロトコルを活用するシーンが多い。しかしこれらの手法は、農業やエネルギーといった屋外での利用を前提としたアプリケーションや、長距離通信の必要があるアプリケーションでは大きな課題となっている。
携帯通信網はその広域なエリアカバレッジに特長があり、世界の人口の90%をカバーすると推定されている。
ただしセルラーLPWAと異なり、既存の2G、3G、LTEなどの規格は電力の消費が大きく、音声やマルチメディアのアプリケーションに対するパフォーマンスを優先しているため、低消費電力やバッテリー駆動のデバイス、または伝送頻度の少ないデータを扱うIoTアプリケーションには最適化されているとはいえないという。
Grand View Researchは、セルラーIoT市場の価値が2016年に約18億ドルと見積もっており、2025年までに96億5,000万ドルに達すると予測。また、エリクソンは、2022年までに広域IoTデバイスの70%がセルラー技術を使用するようになると予測している。
Aylaは、同社のIoTデバイスエージェントがプリインストールされたサンシーのセルラーLPWA IoTクラウド通信モジュールにより、企業は自社のIoTソリューションを現在のWi-Fiネットワーク接続と同じくらい容易に携帯電話網を介して接続できるとしている。
サンシーの通信モジュールを使用して構築されたIoTデバイスは、AylaのIoTクラウドに接続でき、仮想化されたデバイスはAylaの機能全般にアクセス、デバイス管理、遠隔操作、データ収集をはじめ、高度なアプリケーションとサービスの開発・提供が可能になる。
【関連リンク】
・エイラネットワークス(Ayla Networks)
・サンシー・テレコミュニケーションズ(Sunsea Telecommunications)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。