AIで実現する「うれしい広告」の未来 negocia社が挑むデジタル広告の革新、システムを支えるジーデップ・アドバンス

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デジタル広告の新たな可能性を追求するnegocia社。

同社は高性能GPUコンピューティング環境を活用し、AIによる広告制作の革新に取り組んでいます。「うれしい広告の実現」に向けた取り組みについて、お話を伺った。

negocia株式会社CDO川上孝介氏(右)とMLエンジニアの石塚湖太氏(左)
[取材・文:大澤文孝]

──まず、negocia社の設立経緯についてお聞かせください。

当社は2017年に設立され、「うれしい広告の実現へ」というミッションを掲げながら、主にデジタル広告向けのSaaS開発に取り組んでいます。

近年、デジタル広告市場は大きく成長を遂げていますが、表示される広告クリエイティブの配信先や品質は、まだ十分に最適化されているとは言えません。

そのため、ユーザーの中にはデジタル広告に対して負の感情を抱く人も多く、より良い広告体験を提供する余地が大きく残されています。

私たちは、このような課題に対して広告の配信方法やクリエイティブ自体を最適化し、ユーザーが「こんな商品があったんだ!」「この商品に出会えてよかった!」と感じられる“うれしい瞬間”を増やしたいと考えています。

デジタル広告のポテンシャルを最大限に引き出し、広告がユーザーにとって本当に価値ある情報源となるようなサービスを提供することで、うれしい広告の実現を目指しています。

──設立当初からAIに注力されていたのでしょうか?

はい。当社は設立時からテクノロジーを重視してきました。

最初はAmazonの広告運用を自動化するプロダクトの開発からスタートしました。

当時、Amazon広告の運用は人が毎日手作業で入札額を調整するなど、非常に労力のかかる作業が発生していました。

そこで私たちは、その作業を自動化するプロダクトを開発し、業界で初めてその取り組みを実現しました。

その後、事業領域を拡大し、現在では広告文の作成や、広告画像、動画といったクリエイティブの分野にも注力しています。

広告業界全体のデジタルトランスフォーメーションを推進するため、AIを活用した広告制作のワークフロー改革に取り組んでいます。

negocia株式会社が提供する広告サービスはこちら
https://commerce-flow.com/

──「AI-Driven Workflow Evolution」というテーマを掲げていると伺いました。

そのとおりです。

従来の広告制作では、アイデア出し、デザイン制作、運用といった工程を人手で進めていく必要がありました。

私たちは各工程にAIを組み込むことで、新しいワークフローを構築しています。

ただし、目指しているのは単純な自動化だけではありません。

AIを活用することで、クリエイターの発想の幅を広げることも重要だと考えています。

人間は限られた情報の中で思考し、一つの答えを出していきますが、AIを活用することで、さまざまな視点からバリエーション豊かな広告を生み出すことができます。

これにより発想の幅が広がり、新しいアイデアの軸が生まれてくるのです。

──具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

大きく分けて三つの分野で開発を進めています。

一つ目は広告文の生成です。

検索キーワードに対応する効果的な広告を大量に作成する必要があり、これを自動化する言語モデルを開発しています。

2020年頃から開発を始め、事前学習モデルの開発から取り組んできました。

最近は、既存の広告とは異なる、新しい切り口の広告文を生成することにも挑戦しています。

通常の言語モデルは既存のデータに基づいて似たような文章を生成しがちですが、広告では新しい視点や驚きが重要です。

そのため、既存の分布から適度に外れた、しかし効果的な広告文を生成するための研究を進めています。

さらに、広告文生成においては、媒体側のレギュレーションやルールを遵守しながら、なおかつクリック率を高めることができる魅力的な文章を作成することが求められます。

そのため、実績データを活用した強化学習なども導入し、より効果的な広告文の生成を目指しています。
 

二つ目は広告画像の評価です。

広告では大量のバリエーションを作成して効果検証を行いますが、すべての広告を実際に配信すると、効果の低い広告によってコストが無駄になってしまいます。

そこで、GPUを活用した深層学習ベースの予測モデルを開発し、広告画像の効果を事前に予測する技術の開発に取り組んでいます。

このモデルにより、入稿前に広告の効果を予測し、より効率的な広告運用が可能になります。

また、効果が高いと予測される画像の特徴を分析することで、より良い広告クリエイティブの制作にもフィードバックを行っています。
 

三つ目は動画広告の評価です。

動画は1フレームの画像と異なり、時系列データとしての特性があるため、評価が難しい領域です。

私たちは動画特有の時間的変化や多様な要素を、深層学習モデルで多面的に分析することで、効果予測の精度向上に取り組んでいます。

──これらの開発を支えるインフラについて教えてください。

当社ではNVIDIA DGX A100を複数台クラスター化した環境を導入し、大規模な機械学習を実現しています。

クラスター化された環境により、より規模の大きいモデルの学習や、複数の実験を並行して行うことが可能になっています。

また、開発用のワークステーションとしてNVIDIA DGX Stationも活用しており、これらの環境はジーデップ・アドバンス社に提供いただいています。

当初はDGX Stationから始め、その後より大規模な計算が必要になってきたことから、 NVIDIA DGX BasePOD™へと移行しました。現在はこれらを組み合わせることで、効率的な開発環境を実現しています。

──ジーデップ・アドバンス社を選んだ理由を教えていただけますか?

最初は価格面で魅力的な提案をいただいたことがきっかけでした。

その後、実際の運用を通じて、機動性の高さが非常に大きな強みだと感じています。

他社では問い合わせに時間がかかったり、社内での検討に時間を要したりする場面が多かったのですが、ジーデップ・アドバンス社は迅速かつ柔軟に対応していただけます。

特に印象的だったのが、コロナ禍での対応です。

当時は、GPUや通信機器などハードウェアの調達が困難な状況の中でも、柔軟な提案をいただき、設置後、速やかに利用できるようデータセンターのネットワーク回線の提供なども含めて、迅速な環境構築を実現していただきました。

また、ベンチャー企業同士、コミュニケーションのリズムが合っていたというのも大きな要因でした。

私たちのような研究開発に特化した組織では、スピーディーな対応が不可欠ですが、その点でも期待に応えていただいています。

https://www.gdep.co.jp/

──運用面での評価はいかがでしょうか?

非常に満足しています。

当社にはシステム管理の専門家が不在なのですが、ジーデップ・アドバンス社が包括的なサポートを提供してくださるおかげで、安心して運用できています。

特にハードウェアのトラブル対応は素晴らしいですね。

GPUは常時フル稼働で使用しているため、故障することもありますが、その際はデータセンターへの入退館手続きから機器の交換作業まで、すべて対応していただけます。

以前は社内でハードウェアの管理を行っていた際には、故障の都度データセンターに出向く必要があり、開発の中断を余儀なくされることもありましたが、現在は物理的な作業をすべて委託できるため、開発に専念することが可能になっています。

また、ネットワーク構成や運用保守まで、包括的なサポートを提供していただいています。

特にデータセンターでの運用は、電力供給や冷却など専門的な知識が必要な部分も多いため、このようなサポート体制は非常にありがたいですね。

──今後の展望についてお聞かせください。

より大規模なモデルの開発や、画像生成、動画生成、3D生成といった新しい領域への挑戦を考えています。

現在のクラスター環境でも多くの学習が可能ですが、これらの新しい分野に挑戦するにはより大きな計算リソースが必要になると考えています。

特に注力したいのは、広告制作における生成AIの活用です。現在は主に評価モデルの開発を行っていますが、今後は実際の広告クリエイティブの生成にもAIを活用していきたいと考えています。

ただし、これには膨大な計算リソースが必要となるため、インフラ環境のさらなる強化も検討していく必要があります。

また、推論環境の整備にも注力していく予定です。

世の中で使えるモデルはどんどん増えており、これらを効率的に活用できる環境を整備することが重要です。さまざまなユーザーが活用できる多様性のあるシステムを構築していきたいと考えています。

もう一つ重要な課題は、モデルの学習サイクルを短縮することです。

現在、フルスケールの学習には3~4週間程度かかることもありますが、これを短縮できれば、より多くの実験や改善が可能になります。

例えば、パラメータの調整や新しいアーキテクチャの検証など、より多くの試行錯誤を行うことができるようになります。

学習の効率化に向けては、クラスター環境の最適化やモデルの並列化手法の改善など、さまざまなアプローチを検討しています。

同時に、計算リソースの増強も視野に入れており、より効率的な開発環境の構築を目指しています。

最終的な目標は、AIを前提としたワークフローを社内で確立し、人を幸せにするような「うれしい広告」を世の中により多く届けられる体制を構築していくことです。

私たちは広告業界のデータを最大限に活用し、より効果的で価値のある広告を実現するとともに、それによってユーザーが心から「この商品に出会えてよかった」と思える体験を増やしたいと考えています。

特に重要なのは、AIと人間のクリエイティビティの融合です。AIによる自動化や効率化は欠かせませんが、それはあくまでも人間の創造性を支援し、拡張するための手段であるべきだと考えています。

私たちは、最先端のテクノロジーと人間ならではの発想を組み合わせながら、より魅力的で効果的な広告体験を創出していきたいと考えています。

──本日はありがとうございました。

テクノロジーの力で広告の価値を高め、クライアントと生活者の双方にとって「うれしい」体験を創出する。negocia社の挑戦は、デジタル広告の新たな可能性を切り開いていくことでしょう。高性能なGPU環境とAIの活用により、広告業界に新しい革新をもたらすことが期待されます。

negocia株式会社 https://negocia.jp/
GDEP ADVANCE  https://www.gdep.co.jp/

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