DJIは、センチメートル単位でのナビゲーションと測位を可能にする測量用の高精度ドローン「PHANTOM 4 RTK」を発表した。「Phantom 4 RTK」は、測量調査の効率性と正確性を向上させながら、複雑な業務の簡素化と費用の削減を実現する。特徴は以下の通り。
- 次世代のマッピング技術
「Phantom 4 RTK」は、より少ない地上基準点(GCP)で、cmレベルのデータをユーザーに提供する。RTK非搭載のドローンの場合、1平方キロメートルあたり最大40個のGCPが必要となり、その設置だけで数時間かかる。正確なRTKナビゲーション測位システムと高性能イメージングシステムを内蔵した「Phantom 4 RTK」は、RTK測位モジュール(GPS L1 L2/ GLONASS L1 L2, Galileo E1 E5aとBeiDou B1 B2)と併せて使用することで、標定点を設置する必要なく、設置時間を少なくとも75%短縮できる。RTKモジュールは、1cm+1ppmの水平方向の測位精度、1.5cm+1ppmの垂直方向の測位精度と、5cmの写真測量モデルの水平方向の絶対精度を実現(※)。
- センチメートル単位での測位システム
RTKモジュールは、ドローンの機体に直接統合されているため、センチメートル単位での詳細な測位データがリアルタイムに提供され、画像メタデータの精度が向上する。RTK受信機の下側に設置されている冗長性を備えたGNSSモジュールは、電波の密集する都市部など、信号の弱い地域での飛行安定性を維持する。両方のモジュールを組み合わせることで、飛行の安全性を最適化しながら、複雑な測量、マッピングや調査のワークフローにおいて最も正確なデータを取得できるという。
D-RTK 2 モバイルステーションと4Gドングルを使用したNTRIP方式(インターネットプロトコル経由のRTCMネットワーク転送)に接続できる「Phantom 4 RTK」は、多様なワークフローに適合できる。
- TimeSyncで正確なデータ収集
測位モジュールを最大限に活用するために、フライトコントローラー、カメラとRTKモジュールを調整するTimeSyncシステムを開発。TimeSyncは、Phantom 4 RTKに位置や高度、その他のデータと共に、工場出荷時の状態にキャリブレーションされたレンズパラメーターを各写真に記録させる。これにより、測位データをカメラのCMOSセンサーの中心に合致させ、写真測量方式の結果を最適化する。 - 高精細イメージングシステム
「Phantom 4 RTK」は1インチ 20MP CMOSセンサーを搭載。メカニカルシャッターがローリングシャッター現象による歪みを生じさせることなく、移動しながらでも撮影が可能なため、マッピングや通常の撮影データの取得がシームレスに行える。高解像度性能により、飛行高度36mで1cmの地上画素寸法(GSD)を撮影できる。卓越した正確性を実現するため、「Phantom 4 RTK」のすべてのレンズは、半径方向および接線方向のレンズ歪みが測定される厳しいキャリブレーション工程を経ている。収集された歪みパラメーターは各画像のメタデータに保存され、後処理ソフトウェアですべてのユーザーが調整できる。
RTKでカバーできないエリアでは、ポスト処理キネマティック(PPK)が使用することも可能。
- OcuSync伝送システム
高信頼性で安定したHD映像伝送が最大5kmまで可能。 - Mobile SDKに対応
DJI Mobile SDKに対応し、モバイル端末を介してその機能を自動化およびカスタマイズできる。 - 専用の飛行計画アプリ
従来の飛行モードに加えて、写真測量とウェイポイント飛行の2つのモードを搭載した「GS RTK」アプリにより、ユーザーは「Phantom 4 RTK」をよりスマートに制御できる。計画モードでは、オーバーラップ率、高度、飛行速度やカメラパラメーターなどを調整しながら自動マッピングまたは調査ワークフローを提供し、ユーザーはドローンの飛行経路を選択できる。これらの飛行計画は簡単に繰り返すことができるので、異なる時期に飛行した同経路のデータを収集し、現場の進行状況を確認できる。このGS RTKアプリは、オフィス内で飛行計画を立てる際にKML(キーホールマークアップ言語)ファイルとKMZファイルを直接読み込む機能や全ての写真で露出を一定に保つ新しいシャッター優先モード、そして悪天候をパイロットに警告する強風アラームを実装している。
- D-RTK 2 モバイルステーションを用いたシームレスな互換性
D-RTK 2モバイルステーションと互換性があり、リアルタイム差分データをドローンに提供し、正確な測量ソリューションを実現。モバイルステーションの堅牢な設計とOcuSync伝送システムにより、厳しい条件下でもPhantom 4 RTKを使用してセンチメートル単位での正確なデータ取得が可能。
※晴天時の風速4 m/s以下の条件で、高度36m、地上画素寸法(GSD)1cm、オーバーラップ率 80%、サイドラップ率60%で飛行している場合。
【関連リンク】
・PHANTOM 4 RTK
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