静岡発のドローンイノベーションを目指す株式会社Queen Bee and Droneと、株式会社気象海洋コンサルタントは、ドローン向け局地気象情報サービスの提供に向け協業することで合意した。2016年7月下旬より、PCおよびスマートフォン向けに地上から上空150mまでの風速情報および降水情報を提供するサービスの試験運用を目指す。
空の産業革命と期待され、今後幅広い分野での活用が広がるドローンだが、天候の影響を大きく受けることが運用時のネックとなっている。雨天での飛行は電子回路の誤動作を招き、また風速5mを超えるような状況での飛行は事故につながりかねないため、正確な気象予測は安全な飛行計画の立案にとって重要な運用課題となっている。
一方で一般的な天気予報は主要な都市ごとなどドローンにとっては広範囲の気象データであり、また航空気象情報はドローンが通常飛行する高度150m以下といった地表に近い部分での詳細なデータが不足していた。
Queen Bee and Droneのフライトミッションを統括する責任者は「パイロットが欲しいデータは何日何時の風は何メートルではなく、最も風が弱い時間帯は向こう1週間のうち何時」とコメント。これにより撮影現場での無駄な待機時間を節約でき、またクライアントへの撮影計画や飛行計画の提案がより説得力を増すと考える。
漁業関係者やプレジャーヨットなどに海象・気象情報提供で長年の実績をもつ(株)気象海洋コンサルタントは、気象庁から提供される数値データを基に、地表を細かいメッシュに区切った地形データで補正するノウハウを有しており、局地的な風速データの解析によってドローに有効な情報提供を目指すという。
両社の協業によるドローン向け専門気象情報の提供は撮影から物流など幅広いドローン事業者を対象としたサービスを予定しており、当面の試験運用として静岡県を中心とした東海地区の情報から開始し、本格的なサービス提供は全国をカバーする予定だという。
長期計画用気象情報(10日先まで)
6時間毎10日先までの風および降水情報によって、ドローン運用が可能な日を知ることが出来る(範囲は全世界で海外運用にも対応可能)。
対象とする地域をクリックすることで、上のグラフに示すように6時間毎、10日先までの風と天候の概略の傾向を見ることが出来る。グラフ右の目盛りは風速/ノット (1kt=0.5m/s)および雨量(mm)。矢印は風向。水色の棒グラフは雨量。左の目盛りは気温。
短期計画用気象情報(3日先まで)
3時間毎3日先までの風および降水情報によって、ドローン運用が可能な日と時間を知ることが出来る(範囲は日本全国)。
対象とする地域をクリックすることで、上のグラフに示すように3時間毎、3日先までの風と天候の詳細な情報を見ることが出来る。グラフ右の目盛りは風速/ノット (1kt=0.5m/s)および雨量(mm)。矢印は風向。水色の棒グラフは雨量。近傍のアメダスの実況が表示される。
ローカル気象情報(当日)
20分毎の風の局地解析情報によって、ドローン運用が可能な時間の詳細を知ることが出来る(現在は関東と東海地方)。
対象とする地域をクリックすることで、上のグラフに示すように20分毎の当日の風の詳細な変化を見ることが出来る。グラフ右の目盛りはm/s。矢印は風向。グラフのカラーは風速のランクを示す。
【関連リンク】
・Queen Bee and Drone
・気象海洋コンサルタント(Weather & Marine)
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