第1回 国際ドローン展で、ひときわクールな展示ブースで多くの人を惹きつけていた、株式会社プロドローン。産業用マルチコプター開発設計・製作・運用トレーニング・保守メンテナンスを行う会社だ。
その中でも、特に人だかりができていた「ドローン搭載三輪バイク 映像音声中継システム」。これは小型ドローンと中継システムがオールインワンでセットされている三輪バイク。
開発の経緯を、株式会社プロドローン代表取締役社長 河野雅一さんに伺った。
-まず、ドローン搭載三輪バイク 映像音声中継システムとは、どういったものなのでしょうか?
河野「もともと私が放送機器のシステムファイブという会社をやっていて、そこでは5~10mの大型中継車を作っていますので、このバイクのようにマイクロ中継車というのは特に難しい技術ではありませんでした。
現在、フロント、ドローン、ハンディに1つずつカメラが付いていて、3カメを切り替えることができます。ハイビジョンの映像を一般公衆回線で流すことができ、またハイビジョンの映像を4時間記録することもできます。」
-どういったシーンでの利用を想定されているのでしょうか?
河野「もともと自治体や道路会社さんから、ドローンを活用した中継車がないか?というニーズがありました。このドローン搭載三輪バイクは、災害現場や、交通事故・高速道路の渋滞等の緊急時にいち早く到着させ、周辺状況を生中継をする目的のものです。ドローンは有線で真上に飛ばし、30~40mの高さから俯瞰でモノを見ることができます。
今までは目線の高さでしか見ることができませんでしたが、これはドローンでカメラを高くあげることができ、しかもハンディでも撮ることができるので、非常に機動力があります。
さらに、道路が目の前からなくなってバイクが進めなくなってしまった時などは、この映像配信システムを取り外して、ポータブル中継器にすることも可能です。」
-もう実用化されているのでしょうか?
河野「まだ今は試作品の段階です。問合せのたびに絵を描いてみせていましたが、わかりづらいという声が多く、今回サンプルを作りました。値段もまだ決まっておらず、電源の問題などまだ課題があるので、実用化に向けこれから改良していきます。」
ドローンは、プロドローン社のようにもともと別の技術やサービスを持っていれば新しく組み合わせやすい。国際ドローン展では、セコムがドローンを活用した防犯サービスを、NTTPCコンピューターが水道メーターのスマート化を提供するサービスを紹介していたが、やはりこれも自社の技術を組み合わせたサービスだ。
また、ドローン搭載バイクの試作品をつくったのは、「自治体や道路会社からの要望が多かったから」という点は非常に興味深い。現代では必要なものがほとんど揃っているので、ニーズがわかりにくくなっていると言われるが、ニーズがはっきりわかっているものを作るのはリスクが低く、メーカーにとっても好ましい状態ではないだろうか。
そして、事故や災害時に道路が渋滞してもこのバイクがあれば、専門家や救急隊がいち早く中継を見ることで状況を把握することができ、迅速な救助活動ができるようになる。
今回はドローン搭載三輪バイクを取り上げたが、プロドローン社は他にも多くドローンを展示していたので、最後に写真を掲載しておく。
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