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先日、オランダのトゥウェンテ空港内のSpace53という施設はヨーロッパ初のUAV(Unmanned aerial vehicle:無人飛行機)飛行管制システム試行専用地域になったことから、Nokia社が9月末にトゥウェンテ空港と協力提携を結んだ。同施設の使用でNokiaは人々、複数の物体、有人飛行機、都市部近くで使えるようなUAV Traffic Management system (UTM、UAV飛行管制システム)の開発と試行ができるようになる。
Nokiaとエンスヘーデ市当局がサインした基本合意書に基づいて、Nokiaはトゥウェンテ空港にて開発・試行用インフラを整備と提供し、実生活シミュレーションと実証実験(commercial demonstrations)でUTMシステムを開発することが可能となった。
Nokia UTMソリューションには人口密度が高い場所あるいは僻地などでUAVの安全飛行に不可欠な飛行オートメーションシステム、飛行禁止空域管理、視野外機能などが含まれると期待されている。
有人飛行機が危険にさらされないUAV飛行が可能にするためには、飛行禁止空域の明確化と航空規則実施が必須である。そこで、NokiaはLTE分野、モバイルエッジ・コンピューティングや5G開発実績があることから、UAV飛行管制に必要な超低遅延と高信頼性を確保することにしたのだ。
Nokia AirFrame プラットホームと共にUTMモデムが搭載されているドローンは、今後空間と飛行経路が監視できるようになる。
このようなドローンは遠隔測定が可能なデータの交換ができ、ダイナミックな飛行禁止空域を定めたり、他の航空ユーザーに対しても安全な飛行を行うことができるようになるのだ。
Nokiaは、UTMスマホアプリはUAV飛行管制インターフェイスに接続したのちに、ドローンオペレーターにリアルタイム飛行許可、飛行禁止空域情報、または現地規則を提供することで、飛行の柔軟性を一段と高めると期待されている。また、Nokia UTMプラットホームは各国の独自規則要求に合わせることが可能であり、グローバル標準化の基準にもなりえる。
「UAVは様々な産業分野において日常で使えるツールになってきていて、安全性、セキュリティー、検査や保全向上にも大きく貢献している。一方で、同機械は実世界の環境でも失敗なく、安全に動くことが重要である。ここはスマートドローンの話だけで済まないので、包括的に試行・開発されたスマート飛行管制システムが必要だ。さらに、標準化を目指し、監督機関と協力している」とNokia先進モバイルネットワーク部長のロブレフト氏は語った。
Nokiaは最近ドローンに力を入れており、2016年5月に超小型ネットワークUltra Compact Networkを展開した。同ネットワークは短時間展開可能な4Gソリューションであり、高トラフィック状況、僻地であったり、マクロネットワークが緊急事態で障害の時にでも使用可能だ。
Source:Nokia
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。