CES2017では、ドローンの大手メーカーであるParrot社の展示がなかった。さらに、驚くことに昨年であればブンブン音を立てて飛び回っていたドローンがどのブースでもあまり飛んでいなかった。
ドローンブースでドローンが飛んでいない!?
以前であれば、ドローンが飛んでいるだけで人だかりができていたものだが、今回のCESではそういうこともなかった。
これは、つまり「ドローンが飛ぶ」ということ自体に目新しさがなくなってきた証拠だろう。
一方で、多くのドローン企業がドローンに搭載されているカメラにフォーカスを当て、どういう動画や静止画が取れるのかを解説していた。
カメラ自体を搭載するタイプからはじまって、カメラを自前で作っている企業など多数あった。
中には、水中向けドローンなども展示されていた。
個人利用を想定したドローンが増えてきた
また、別の角度として「持ち運び性」を強調するドローンも多く展示されており、業務用と個人用の大きく2つのながれが明確に区別されながらそれぞれ進化していっているという様相であった。
このドローンは折り畳みが可能で、飛ばす際は広げて使うが持ち運びの際は半分のサイズになる。
他にも持ち運び可能なものも多く展示されていたが、この形状が一番現実的に持ち運びやすそうであった。
かつて、GoProがそうであったように、次のフェーズとしてはどういう絵がとれるのか?というところに光が当たる流れになり、今後はGoPro社も取り込んでドローンでの撮影に関する争いが激化していきそうな様相だ。
VRは体験型のブースだけでなく、コンテンツ撮影用機材のブースが増えた
VR動画が北米を中心に一般化してきている。別の記事でも書いたが、北米ではVRを使ったスポーツ中継が実際に行われている。
普段の生活の中に少しずつだか着実に入ってきているVR体験。こうなると、撮影機材の方もいろんなものが出てくる。
360°カメラも多彩なラインナップが登場していた。
高画質を売りにするもの、手軽さを売りにするもの、動画を売りにするもの、それぞれ形は違えど、撮影機材が多様化することで、我々が楽しめるコンテンツ数も2017年は飛躍的に増えることが想定される。
Qualcommの発表でもあったように、リアルタイムに体験を共有するようなVRサービスも今後は広がってくる。
ドローンビジネスを営む企業としては、発展的にマーケットができつつあるということだろう。一方、利用者としてはより多くの選択肢が得られるようになり、ドローンをつかった風景や自分の撮影がより身近なものになるのだと考えられる。
VRも撮影が一般化していけば、居ながらにして世界旅行にいったり、ドローンとの組み合わせで大空を飛んでみたりすることも可能になる。今一歩の画質の進歩や安定的な通信回線が確保できればこういった体験は早晩実現可能となるのだ。
楽しみで仕方がない。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。