ソニービジネスソリューション株式会社は、エアロセンス株式会社と有線給電方式の高画質ドローンを用いたライブ撮影システムを構築したと発表した。同システムは、静岡放送株式会社の主催イベント「超ドSフェスタしずおか」の音楽番組で初めて運用された。
ライブ映像の撮影における高所映像撮影には、現状いくつかの課題がある。
イントレ(足場)構築やクレーン使用による高所撮影の場合は撮影アングルに制約が生じることもあり、コストも高額となる。それに代わるものとして、ドローン使用による映像撮影が広く行われるようになってきたが、ここにも別の課題が指摘されてきた。
すなわち、電源の制約から最長20分程度の連続撮影しかできないということ。また、映像の無線伝送時に画像圧縮する必要から番組で使用するクオリティを満たせないことだ。
ソニービジネスソリューションはこれらの課題解決に向けてエアロセンスと検討を重ね、有線給電ドローンを用いたライブ撮影システムを構築した。
有線給電方式という特殊なドローンを使用することで、従来不可能であった長時間撮影を可能にすると同時に、光ファイバーケーブルを使用した非圧縮かつ高画質のリアルタイム映像伝送によるライブ運用も可能になるという。
ジンバルによるカメラ制御(パン・チルト)も可能で、映像制作用途のニーズに幅広く対応。また、中継車と接続することができ、可搬中継機材としての活用も見込まれる。
これらの機能により、音楽ライブ等のイベントにおいて、観客席の後部位置から俯瞰映像を撮影し、より現場感や臨場感のある素材を提供することが可能となる。
有線給電方式ドローンの登場により、今後ライブ映像カメラはライブ全体の臨場感やこれまで観たことのない視点からの映像を提供するツールへと変わっていく可能性がある。
【関連リンク】
・ソニービジネスソリューション(Sony Business Solutions)
・エアロセンス(Aerosense)
・静岡放送(SBS)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。