DJIは、MicrosoftとAIおよびマシンラーニングにおける先進的な技術をDJIのドローンに活用する戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。
同パートナーシップにより、産業用ドローンとエッジクラウドコンピューティングのテクノロジーをビジネスに活用していく。
具体的には、同パートナーシップを受け、DJIはソフトウェア開発キット(SDK)をWindows向けにリリース。Windows 10 PC向けのアプリを使用することで、DJIのドローンは、さまざまな産業向けに、飛行管理やリアルタイムデータ伝送機能の搭載などのカスタマイズや制御が可能になる。
また、DJIは、MicrosoftのクラウドサービスであるMicrosoft Azureを導入。AzureのAI技術とマシンラーニング性能を活用することで、膨大な数の空撮写真や動画データを実用的なインサイトへと変換し、世界中のさまざまなビジネスに提供する。
DJIの新しいWindows向けSDKで、開発者は、Windowsのネイティブアプリを構築することが可能。自律飛行やリアルタイムのデータ配信を含めたDJIドローンの遠隔操作が実現するという。
Windowsの開発者コミュニティーは、SDKを使い、マルチスペクトルセンサーやカスタムアクチュエーターのようなロボット構成部品などのサードパーティ製のペイロードの統合と管理を行えるようになるため、企業によるドローン活用方法が増えると期待される。
Windows向けSDKに加えて、MicrosoftとDJIは、農業、建設、公共安全といった主要分野でAzure IoT EdgeとAIを活用したドローンソリューションの開発においても連携する。
Windowsの開発者は、Azureの大規模なクラウドとDJIのドローン、そして、クラウドに長けたAIソリューションを構築するためのIoTツールセットを使用し、現場でリアルタイムにドローンに展開することができるようになる。
DJIとMicrosoftは、MicrosoftのFarmBeatsソリューションを使用し、精密農業の先進技術において既に協力している。
FarmBeatsでは、Azure IoT Edge上で稼働するAIモデルを使用する空中センサーと地上センサー双方からのデータを集積し、分析する。
DJIのドローンと使用することで、FarmBeatsは、高度なセンサー性能を最大限活用し、熱や光、蒸気を感知できるため、可視化したデータを農作物や土壌、家畜の栽培、飼育に活用できる。
Microsoft FarmBeatsは、DJIの「GS Pro(GroundStation)」とマッピングアルゴリズムを統合し、Azure IoT Edgeにリアルタイムなヒートマップを作成する。
ヒートマップは、種の発芽に土壌の状態が最適になったかどうかを表示し、農業従事者の植栽戦略をサポートするなど、さまざまな方法に役立てることができる。
DJIの Windows向けSDKのベータプレビューは、Microsoft Buildカンファレンスに参加中の開発者を対象にすでに提供。それ以外の開発者へは、2018年の秋頃の提供を予定している。
【関連リンク】
・ディー・ジェイ・アイ(DJI/大疆创新科技)
・マイクロソフト(Microsoft)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。