LIFE DXのコーナーは、IoTNEWS生活環境創造室 室長 吉田健太郎(よしけん)と、IoTNEWS代表の小泉耕二(こいずみ)が、LIFE分野におけるDXについて話し合ってる内容を記録するコーナーです。
ブレストで、散々話し合って、部屋が二酸化炭素でいっぱいになって、なんならちょっと眠そうにしているメンバーがいる。なんだか椅子の座り心地も良くないし、明らかに集中できていない。
こんな息詰まった状況に、「いい感じの切り口で、誰か一石を投じて打開してくれたらな」と思う時がよくある。
一方、会議室のデジタルデバイスというと、最近テレビ会議用に購入された、カメラとスピーカーが一体となったデバイスがモニターにつながれているくらいで、状況を打開してくれる気がしない。
「映画なんかだと、ここでモニターがパッと切り替わって、ザーッて砂嵐が流れた後、救世主が映り、気の利いたヒントでも言ってくれるのになぁ。」なんて話していた。








現在、自然言語解析に関しての研究は進んでいて、会話の流れをきちんと追えるものが登場している。
例えば、「ハワイに行きたい」という話をしている中で、「おすすめのレストランはここです」という話題を考えると、おすすめのレストランは当然、ハワイにあるレストランであるわけだが、これは人間が話の流れを認識できているからだ。
ハワイの話をしているということを忘れてしまったとすると、東京のレストランをオススメしてしまうかもしれない。
Amazon EchoやGoogle Homeなどのように、音声で指示をするというタイプのデバイスでは、単発の指示を聞き取って、言語解析し処理すればよかったし、実際そういう状態だったワケだが、最近では少しのやり取りはできるようになってきている。
例えば、Amazon Echoに、「電気を消して」というと、「ベッドルームのを消すの?」と聞き返してくるといった具合だ。それに対して「はい。」と答えればベッドルームの電気を消してくれる、という具合だ。これは、「電気を消してほしい」という元のやり取りを覚えていないと何に対して「はい」と伝えたのかはわからない。
徐々に、会話を聞き取ることができるようになってきている自然言語対話エンジンだが、いずれ、人間が起点となって会話を始めるのではなく、人間の動きをカメラやマイク、センサーなどで追っていて、AIがいいタイミングで次に必要となりそうな情報を提示してくれるようになるかもしれない。
こう考えると、人間が困っているのを感知したAI同士が議論をしていれば、そのうち勝手に良い結論が導き出されるようになるので、そもそも人間がブレストをして結論を出す必要がなくなる日が来るのかもしれない。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。