「データ流通」が加速するのはいつ頃か
小泉: 八子さんに相談すれば、企業と企業をすぐにつないであげることもできると思いますが、八子さんがたくさんいるわけではありませんし、「どの企業がどんなデータを持っているか」は、インターネットで調べても出てくるものではありません。IoTNEWSでも公開していければとは思っています。
八子: 私たちウフルが支援している企業の業界別プラットフォームが今秋からいくつかリリースされます。そこから、「なるほどこのような人たちが、このようなデータを集めようとしているのだな」というビジネスの全体図が立て続けに見えてくると思っています。
小泉: 企業はなるべく速くデータ公開に踏み切った方がいいですよね。Googleが勝った理由はそこにあります。どんどん公開していくので、どんどん利用する人が出てきます。利用する人が増えると儲かり、儲かるからさらにデータが集まってきます。
あまりにも未開発な状態でリリースするのはダメですが、速めに出していって、「いまはこんなデータが世の中で見られるんだ」、「そこに参加するとこんなに儲かるんだ」ということがちょっとでも見えてくると、いっきに進むのかなと思います。
八子: 日本企業は囲い込みますからね。自社のデータは外に出したくないという意向が非常に強いです。もう一つの問題は、データを経営に活かす意識が非常に低いことです。「デジタルユニバース」(地球上で生成されるデータ全体)に占める日本の割合は世界的に見てもきわめて低いです。
ためたデータをオープンにしていき、そこでどうエコシステムをつくっていくのかという視点でビジネスを考えていかなければならなりません。
小泉: そうですね。今回のお話から、「データ流通」の世界はもう少し先という気がする一方、既に取り組んでいる人たちも確実にいます。コマツさんは半年前から始めていますし、グローバルでもデータで勝負する時代に入ってきています。
ただ、1社でやれませんから、色々な協力関係を使っていくことが必要ですね。本日はありがとうございました。
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。