2018年のIoTをふりかえる ―八子知礼×小泉耕二【第12回】

スマートホームのカギは街との連携

小泉: 最後に、スマートホームについて話したいと思います。

八子: 今年は「Amazon Alexa」を使った音声応答サービスが今年は百花繚乱でした。また先日には、パナソニックが(くらしの統合プラットフォーム)「HomeX」を発表しました。いよいよ家の中でエージェントがインテリジェントに活躍し、ソフトウェアで家をアップデートするという概念がカタチになり始めたという印象を持っています。今後は、そうしたサービスを家の中で閉じるのではなく、街と連携していくことによる「スマートさ」が求められるでしょう。

小泉: たとえば、どういう連携でしょう。

八子: 近隣の学校や病院、自治体サービスなどとの連携ですね。

小泉: なるほど。病院といえば、遠隔医療が一つの例ですね。

八子: ええ、遠隔医療は厚労省がOKと判断していますので、サービスとして既に始まりつつあります。薬の販売についても宅配で届けてよいと見解が出ていますから、従来は病院でしか享受できなかったサービスが自宅などで享受できる時代がくるのは時間の問題です。

そのために必要な個人データをどう流通させていくのかについては、ようやく法制度が整いましたから、来年からはいかに社会実装されていくかが期待されます。

小泉: 個人のサービスになるとプライバシーの問題がありますから、難しいという気もしていました。今年はそのあたりのしくみが整理されてきたのでしょうか。

八子: ええ、個人に対してきちんとメリットを提供できることを前提に、個人データの利用やサービス連携を行うモデルがようやく整いました。

小泉: なるほど。さまざまな業界でプラットフォームやデータ連携のしくみができてきました。ただ、まだまだ完成形ではないということですね。今後は何が求められますか。

八子: 繰り返しになりますが、異なる領域とのサービスやデータの連携です。また、いつでもサービスが実装できるように、あらゆるモノをつなげ、「サービスオンデマンド」の状態にしておくことが重要です。

小泉: なるほど。今年1年ありがとうございました。次回は2019年のIoTについて議論していきたいと思います。

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