新しい開発へのチャレンジは続く
IoTNEWS 吉田:京セラさんは、今後も「Possi」のような新しいカテゴリーの商品を開発していく予定なのでしょうか。
京セラ 稲垣:京セラの内部でも「京セラスタートアッププログラム」というのを始めておりまして、社内でアイディアを集めて選定を行っています。
このプログラムには社内の技術を必ず利用する、といった制限は設けられていません。とにかく各自やりたいことを提案するというものなので、もしかしたら「Possi」と同じくらい斬新な企画が生まれる可能性があるのではないかと思っています。
私としては「Possi」の開発で培ったノウハウを、新しい企画にチャレンジしようとする社内の人間に伝えていきたいと考えています。
IoTNEWS 吉田:ライオンさんのイノベーションラボはこれまでもテクノロジーを活用した新しい商品を生み出されていますが、今回の「Possi」開発を今後どのような形で活かしていこうとお考えですか。
ライオン 萩森:「Possi」開発を通して感じたことは、思い切りの良い判断、前に進んでいく覚悟、担当者の熱量といったものをしっかり持っていることが大事だということです。そういう気持ちをイノベーションラボ全体で共有し、進行中のアイディアに取り組んでいきます。
また、今回のプロジェクトでは社外との繋がりだけではなく、社内の部署同士の繋がりも以前より一層強固なものになりました。今後もイノベーションラボがハブとなって、社外・社内の繋がりを強くしていきたいと思います。
IoTNEWS 吉田:ソニーさんはいかがでしょうか。
ソニー 宮崎:当初の「Sony Startup Acceleration Program」はソニー社内向けがメインのプログラムでしたが、2018年12月より社外の新規事業についても支援を拡充しています。社外案件でソニーの本社ビル内incubation boothに入居した第1号として京セラさん・ライオンさんと共同で「Possi」を開発しました。
今後もオープンイノベーションを推進するために、既存の企業やスタートアップ、大学機関などと連携し新たなプロジェクトを立ち上げていこうと考えています。
「Possi」は親子の思い出のためにある
IoTNEWS 吉田:「Possi」の開発動機について、親子のコミュニケーションをより密なものにしたいから、とのことでしたが、小さいお子さんを持つ読者に向けてメッセージなどがあればお願いします。
京セラ 稲垣:最初にもお話しした通り、「Possi」は父親としての自分自身の悩みから生まれた製品です。「平日はずっと働きっぱなしで、休日も疲れていて子どもと遊ぶ余裕がない」と嘆いている親御さんは多いと思います。だからこそ限られた時間の中で子どもと触れ合い、楽しい思い出を作って欲しい。そんな願いを「Possi」には込めています。
ライオン 萩森:私にも子どもがいて育休を取得したのですが、子どもと接する時間が長ければ長いほど子どもは親を信頼して甘えてきますし、親は子どものことをよく理解できるようになると実感しました。「歯磨き」はわずかな時間ではありますが毎日の行動でもあります。その時間を子どもとの楽しいコミュニケーションにすることで、大切な時間にして欲しいと願っています。
ソニー 宮崎:今、ソニーの「First Flight」というサイトで「Possi」のクラウドファウンディングを募っています。その中でコメントを書いていただく欄があるのですが、お父さん・お母さんが自分の子どものために使う目的だけでなく、お孫さんや甥御さん・姪御さんに買ってあげたい、という意見もいただいています。
ですので、ご両親だけでなく、誰か小さいお子様にプレゼントしてあげたい、と思う方がいらっしゃったら、ぜひとも「Possi」のことを応援いただければ幸いです。
IoTNEWS 吉田:本日はありがとうございました。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。