ドイツ・ハノーバで開催されているITのイベントCeBIT2017レポートの二回目は、スタートアップエリアを紹介する。スタートアップエリアも多くのジャンルが展示されていた。
ヨーロッパのスタートアップ
Navvis
Navvisは、ドイツで作られた、インドア環境における、ファシリティマネージメントや、ロジスティクス、流通などを支えることを目的に作られたロボットだ。
このロボットを走らせることで、1時間に2,000-5,000m² の広さの情報を取得し、Google Street Viewのようなリアルタイムマップを生成する。
そして、360°のパノラマイメージや、2Dのフロアマップを生成することができるという。
上部に、3つのレーザースキャナと、6つのハイレゾカメラを搭載しているのだ。
担当者によれば、例えば大きなショッピングモールを建設している時に、すべての敷地を見て回らなくてもこのロボットを走らせることで状況の把握が簡単にできるなど利用用途は多いということだ。
参考:Navvis
BikeCloud.io
BikeCloud.ioは、まだ完成していないサービスだが、自転車にボックスを取り付けるとバイクシェアができるというサービスを作ろうとしているのだ。
あくまで構想段階だが、このボックスの中にはセルラー通信のできるGPSモジュールの付いた機器が入っていて、電源はソーラーパネルから取得するのだという。対応したスマートフォンをつかうことで、いわゆるカーシェアリングと同じようなことが自転車でも可能となるということだ。
このボックスが完成すれば自転車でないものもシェアリングできるのではないかという応用性を感じた。
VR Designer
VR Designerは、ヘッドマウントディスプレイをつけて、VR空間上で3D設計ができるというものだ。
デモンストレーションでは、HTCのVIVEコントローラーを両手にもって、操作することで3D空間上に形を作っていくことができていた。
慣れが必要だとは思うものの、今後3Dベースの設計や3D情報をコントロールする必要が増える局面ではこの手ものがもっと出てくるだろうと感じた。
Manus VR
Manus VRはオランダの企業がつくるグローブ型のVRコントローラーだ。指の一本ずつの曲げがVR空間上で実現できるというコンセプトだが、今回のデモンストレーションでは、VR上に置かれた荷物を、バーチャルに移動させることができるというものであった。
こういう技術とロボット、5Gなどが組み合わさってくると遠隔地のロボットをリアルタイム制御で人がコントロールするということも可能となってくるだろう。
参考:Manus VR
aiRdome|VR

aiRdome|VRは、ドイツのイベントで使う簡単に膨らむエアドームをつくるチームが開発した、VR装置だ。
VRといってもヘッドマウントディスプレイをつけるのではなく、ドームの中に入るだけで360°の映像が展開される。プラネタリウムをイメージすればわかりやすいと思われる。
デモンストレーションでは、ミラノの街に入り込むのだが、実際に入ってみるとかなりリアルだった。
設置も簡単で、ヘッドマウントディスプレイがいらないというのは、イベント会社などでは使いやすいのではないかと感じた。
参考:aiRdome VR
tapdo
tapdoはドイツの企業が作っている、指の5指をつかって、それぞれの指紋に意味づけをするというボタンだ。
この黒い装置の上部は指紋センサーとなっていて、例えば親指をつけると電気を消すなど、5つの指示を設定しておくことができるというものだ。
今後、kickstarterで資金を集める想定があるということだ。
参考:tapdo
SCHUHLEISTER
最後は、マイスターの国、ドイツらしいソリューションだ。
足の形を3Dスキャンし、デジタル上で製図を起こした後3Dプリンターで足型をつくり、靴を仕上げていくというものだ。
このサービスとしては想定されて居ないが、今後個人でこういった、自分の体の形に関するデータを持っておけば、他の洋服や靴を買う時にも使えそうで面白い。
参考:SCHUHLEISTER
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。