去年DeNAとジョイントベンチャー ロボットタクシーを設立し話題となったZMP。ZMPは自動運転のソフトウェアなどを開発する会社だ。
第8回オートモーティブワールドでの展示はトヨタのエスティマをベースとし、コンピューターで走るとまる曲がるなどをコントロールできるようになっている車両だ。そのブースで株式会社 ZMP 取締役 営業本部長 西村明浩氏に話を伺った。
このクルマ自体はメーカーが研究開発、実験用に販売しているもので、自動運転に向けて2月から国家戦略特区となっている神奈川県で実証実験をはじめる。現状の実証実験の段階では、無人ではなく人が乗った状態で行われる。
現在、普通のクルマを自動運転で走らせることについては、各メーカーが運転手を手助けする運転支援技術を作っているが、ZMPとロボットタクシー社は運転免許を持っていない人、過疎地で交通手段のない高齢者なども使えるような無人タクシーを作ることを目標としている。
ZMPはセンシングをしアルゴリズムを組み合わせて、ソフトウェアを開発していくという自動運転側を作り、DeNAはタクシーサービス側のスマートフォンでの配車やクラウドなどを担当する。地図情報は様々な会社のものを組み合わせて利用しているそうだ。
カメラはソニー社から高感度センサーの供給を受け、画像認識にはAIを搭載し、デモンストレーションで歩行者を検出していた。下記モニター内の緑色の表示はコンピューターが「歩行者ではないか?」と思われる人を認識し、ディープラーニングをしている様子。クルマ自体がロボットになっていくことを見据え、今後もAI技術も加速させていくという。

日本だけではなく世界が高齢化を向かえる中、地方での交通手段がなくなっており、そこに交通手段を届けるのがZMPのミッションだという。過疎地で無人のロボットタクシーを走らせること目指しているが、オリンピック時には東京でも走らせることを考えているということだ。しかし、通常人間が運転するタクシーは家の前の細い路地まで入ってきてくれるが、そこまでは技術的に難しいため、ヒトに大通りまで出てきてもらうなどのサービス内容の工夫を検討しているという。
オートモーティブワールドに出展していたいくつかの大手企業が、まずは高速道路からの自動運転や、衝突安全ソリューションの展開を目指してる中、ZMPは公道で自動運転カーを走らせることができるのか?という問いに対して、「2020年の東京オリンピックをひとつのマイルストーンとし、やるんだと決めて、今が技術を高めていくチャンス」だと述べた。
第8回オートモーティブワールドレポート
・ルネサスの自動運転は高速道路と駐車場から 第8回オートモーティブワールド
・STマイクロの衝突安全ソリューション 第8回オートモーティブワールド
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