パイオニア株式会社は、デジタル地図データやプローブデータ、事故発生地点、天気などの各種データと、ドライバーの運転傾向などから事故のリスクをリアルタイムに予測し、事故リスクが高い場合のみ注意喚起・警告を行う運転支援システム「Intelligent Pilot」を提供している。
同社は、Intelligent Pilotの事故削減効果をさらに高める手法を検討する中で、「交通死亡事故を起こしている方の約8割が、過去5年以内に交通違反をしている(※1)」との調査データに着目し、運転を正しく評価する必要があると考えた。
そこで、Intelligent Pilotにデジタル地図データとGPSの位置情報を用いて、ドライバーごとの潜在的なリスクを診断するAIスコアリング機能「YOUR SCORING(ユアスコアリング)」を搭載した。
同機能は、加速度から検知した危険挙動(※2)のみで診断するこれまでの手法とは異なり、「運転行動」での交通ルールの順守傾向、交通違反行動(※3)や、事故が発生しやすい場所、地形といった「走行道路」までを考慮し(※4)、事故に遭遇する可能性まで含めたドライバー個々の潜在的なリスクを診断を行う。
AIスコアリング機能の検証として、実際に事故を起こしたドライバーと無事故のドライバーの走行データを、AIスコアリング機能を用いて診断した結果、事故を起こしたドライバーの84%が「リスクが高い」、無事故のドライバーの93%が「リスクが低い」と診断された。
このAIスコアリング機能は、Intelligent Pilotを顧客のサービスに加えるソフトウェア開発キット「Intelligent Pilot SDK」を利用することで、手持ちのスマートフォンでも使用できる。
※1 大阪府警察:交通死亡事故当時者と交通違反歴との相関分析結果より
※2 急ブレーキ、急ハンドル、急アクセルなど。
※3 一時不停止、速度超過、通行禁止違反など。
※4 信号やカーブなどの「デジタル地図属性データ」に、「事故発生地点データ」や「急減速多発地点データ」などをGIS技術で関連付け、時間帯や天候などを加味して、事故が発生しやすい場所などを予測する独自の事故リスクプラットフォームを活用。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。