現在、車両に設置するLiDARは、主に車両のルーフに搭載するのが一般的である。しかし、雨や雪などの悪天候時には、LiDARから出力されたレーザーが雨粒や雪粒に反射し、測定したい対象物との距離を誤検出することがある。また、LiDARを車内に搭載しようとする場合は、レーザーがフロントガラスで減衰してしまうため、測定したい対象物からの反射光を検出することが困難であるという課題がある。
株式会社東陽テクニカは、True-solid-state LiDAR技術のプロバイダであるXenomatiX N.V.の日本総代理店として、True-solid-state型マルチビーム方式の周辺環境計測システム「XenoLidar」を販売している。
このほど、XenomatiXとAGC株式会社のグループ企業であるAGC Automotive Europe S.A.は、AGC Automotive Europeの自動車用フロントガラス「Wideye」の背後にXenomatiXの「XenoLidar」を一体化する、ADAS(先進運転支援システム)ならびに自動運転用次世代統合型LiDARセンサの共同開発を進めていると発表した。
周辺環境計測システム「XenoLidar」は、レーザーを照射し反射光を検知することで周辺環境を測定する高精度な光学センサである。可動部と回転機構を持たないため、壊れにくく、かつ自動車へ導入する際には設置場所の自由度が広がる。さらに、数千本のレーザー照射により一度に多くのターゲットを検出でき、昼夜・天候を問わず、小さな対象物においても200m先まで正確に検知・計測する。
3D点群データと2D画像の双方をリアルタイムに取得できるため、自動運転車両に搭載することで、対象物の検出の他、車両と各対象物との距離も正確に測定することができ、さらに移動している対象物の速度の算出や走行可能エリア(路面のフリースペース)の検出も可能だ。対象物の位置情報、車両との距離情報、移動情報など、様々な情報が取得できる。
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