国内では、自動車の運転支援技術の普及などにより、死亡事故発生件数は減少傾向(※1)にあるが、全国で年間47万2165件(※2)の事故が発生しており、商用車(事業用)だけでも3万2655件(※3)発生している。
そこで、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、AIとIoTを活用した商用車向け交通事故削減支援サービス「DRIVE CHART」を本日から提供開始した。
「DRIVE CHART」は、商用車向けのサービスで、設置した車内外を写す専用車載器の映像、加速度センサーやGPSを元に、AI(画像認識技術)を用いて危険運転状況を可視化し、運転特性をドライバー自身だけでな管理者と共に把握・改善することができるサービスだ。
株式会社JVCケンウッドと共同で開発した専用車載器に内蔵された加速度センサー/GPSによる車の挙動だけではなく、車内外向けカメラの映像を車載器内で即座にAIで解析し、地図情報などと組み合わせることで、習慣化された危険運転行動やドライバーの状態に潜むリスクまで検出できる。運転状況の振り返りや、運転特性に応じた指導を行うことで、交通事故削減の効果が期待できる。
同サービスを利用することで、ドライバー、安全管理者、経営者それぞれのメリットは以下の通り。
- ドライバー
・目標の達成度確認・危険シーン地点確認および動画確認ができる
・スコアで改善の推移状況を確認できる
・外部の専門家を含めたサポートチームからの運用改善のためのアドバイスを受けられる - 安全管理者
・目標未達者、注視しているドライバーの運転状況を一目で把握できる
・ドライバーへの声掛けのポイントを容易に把握でき、客観的な情報でコミュニケーションができる - 経営者
・各拠点での目標設定やレポート閲覧などの取組状況、運転行動改善傾向などを把握できる
・チーム戦など、業務に即したフォローアップ施策で、安全管理者と一丸となって改善に取り組める
「DRIVE CHART」は、京王自動車株式会社、株式会社日立物流、株式会社首都圏物流などの協力の下、2018年4月から10月にかけて実証実験を行った。結果、過去5年の同時期平均比で、事故率がタクシーで約25%、トラックで約48%改善した。また、自社車両の修繕費でも効果が現れ、さらに事故規模の縮小も確認された。
「DRIVE CHART」は、専用車載器のカメラなどから個人情報保護に留意した上で集積した交通環境ビッグデータを活用して、自治体や警察などの各ステークホルダーと連携し、道路の保全・道路管理・防犯・防災など、社会全体の交通環境改善を目指す。また、自動運転車両等が使用する道路情報や交通環境情報、乗降地などの選定にもデータを活用する。なお、同取り組みは、神奈川県の道路管理分野や横浜市の「I・TOP横浜」と連携することを目指すとした。
※1 内閣府 e-Stat、道路の交通に関する統計 交通死亡事故の特徴等について、「h30 死亡事故まとめ」
※2 内閣府 平成30年度版 交通安全白書「平成29年度中の交通事故発生件数」
※3 警察庁交通局 平成29年中の交通事故の発生状況
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