アクセルの踏み間違いによる事故が多発していて、先日政府も踏み間違い防止のために、65歳以上の高齢者に対して、自動ブレーキや踏み間違い時の加速抑制装置などに対し、普通車で1台10万円、軽自動車では7万円を補助する方向で調整していると発表した。
クルマメーカーや、周辺機器メーカーも、様々な踏み間違いに対応した商品を販売開始している。
トヨタは、クルマの前後方にセンサーもつく安心設計

トヨタの場合、前後に4つのセンサーを取り付け、前後3mの壁を検知しブザーでお知らせする。これにより、シフトレバーを変えた時点で操作ミスに気づくことができるのだ。
例えば、前方に壁があるのに、「ドライブ」に設定する、後方に人がいるのに「バック」に設定するなどだ。
しかも、このセンサーはガラス面でも認識ができるため、コンビニの駐車場などでの誤発進も未然に防げる。
そして、ブザーでのお知らせにも関わらず、アクセルを踏み、急発進しようとした際には、加速度センサーが反応し、急発進自体を抑止する。そして、5秒間踏み続けるとそのまま加速するということだ。
他にもバックしている時にスピードが出過ぎないよう、5km/時まで自動的に減速する機能が付いている。
参考:トヨタ
オートバックス「ペダルの見張り番」は手軽に踏み間違いを防止

また、オートバックスは、「ペダルの見張り番」という製品を販売しており、急発進を加速度センサーが察知すると、急発進を抑止する。さらに、アクセルとブレーキを同時に踏んでしまった場合は、ブレーキが優先される機能となっている。
しかし、急な坂道発進ではある程度、急発進ができないと発進できず逆に危ない。
そこで、この製品では、スイッチによって機能をオフにすることもできるということだ。
参考:オートバックス
踏み間違い防止装置があれば万全なのか
今回紹介した、トヨタ、オートバックの両商品でも、その紹介ページで「完全ではない」と警鐘を鳴らす。
あくまでも人が操作するものを補完するという位置付けなので当然ともいえる。
高速道路などで、オートパイロット機能を過信して、スマホの操作など他の作業を車内でしたため、危ない思いをしたことがある人もいるはずだ。
自動運転の時代を前に、安全面を考えるシステムは数年前に比べて飛躍的に技術も向上しているといえる。
しかし、坂道発進の際に踏み込むのは、危険運転なのか、路肩に前輪を踏み外した時、バックで踏み込むことはどうなのか、など、実際に運転をしていると遭遇するイレギュラーケースについても検証をしていかなければ、別の問題が起きる可能性がある。
これまで、人がやってきたことを単に置き換える場合、こういったイレギュラーケースをどれだけ洗い出せているかも重要になるのだ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。