日産自動車は12月20日、福島県浜通り地域で実証実験を行っているオンデマンド配車サービス「なみえスマートモビリティ」を、2023年1月5日から運賃を有償化し、事業化に向けた最終段階の実証実験フェーズに移行すると発表した。
日産では、地域活動の基盤となる公共交通網として、浪江町に暮らす人を始め、関わる人訪れる人に向けたモビリティサービスの実現と、サービスの持続可能な事業化を目指し、2020年度から「なみえスマートモビリティ」の実証実験を開始した。
サービスの運行エリアは浪江町避難指示解除地域で、車両は日産キャラバンの3台を運行。配車予約は、スマートフォンのアプリとデジタル停留所、ミニデジタル停留所から、月曜日から土曜日と祝日で受け付ける。デジタル停留所は、浪江町の主要拠点に7か所、ミニデジタル停留所は商業店舗に9か所、バーチャル停留所は約250か所を設けた。
約3年の実証実験では、乗降箇所や予約方法の拡充、AIを使ったルート選定を導入のほか、連携協定を締結するパートナーとともに人の移動と物流の効率化を図る貨客混載などの検証を行うなど、地域のニーズに根差したサービスの向上に取り組んできた。
今回、事業化に向けた有償化を行い、運賃を伴うサービスに対する利用者や地域の受容性を検証。今後のサービス拡充も含め、人口密度の低い地域でも持続可能なモビリティサービスの事業化スキームを構築する考え。
有償化にあたっては、町の中心からの距離に基づく4つのゾーン制で利用運賃体系を採用。大人一人あたりの基本料金は、ゾーン1からゾーン1は200円、ゾーン1からゾーン2は300円、ゾーン1からゾーン3は500円、ゾーン1からゾーン4は800円などに設定した。
また、同社では有償化サービスを行うにあたり、車両運行を行う交通事業者である、観光タクシー、東北アクセス、常交タクシーの3社は、道路運送法第21条の許可を受けたとしている。
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