日産自動車株式会社は29日、同社のアフターセールス事業における新たな戦略を発表した。同事業では、革新的な技術で顧客のアフターセールスにおけるオーナーシップ体験に変革を起こし、サービス向上を通じ新たな収益源を開拓している。
コネクテッドカー・サービス、幅広い選択肢のアクセサリー、パーソナル化の推進は、日産のアフターセールス事業の急速な成長をけん引し、2022年にはこの3つの取り組みが同事業の収益の25%を占めると見込んでいる。
日産のグローバルアフターセールス事業本部を担当する常務執行役員のケント・オハラは、「日産には、アフターセールス事業において、世界のお客さまへの最先端技術の提供で業界をリードし発展させる明快な戦略があります。この戦略では、オーナーシップ体験を高めるためにお客さまの選択肢を増やし、新たなサービスを提供します。それがコネクテッドカー、ビッグデータ、パーソナル化という3つのイノベーションの拡大につながり、お客さまの利便性が向上して、日産に新たな収益をもたらすことになります」と語っている。
日産は、コネクテッドカー技術とビッグデータの利用拡大により、販売会社を通じて新たなサービスを提供し、顧客との関係を強化していく。将来的には、修理が必要な際は事前に顧客に通知するとともに、サプライチェーン経由で自動的に部品を注文して顧客の来店時に販売店が確実に対応できるようになる。 コネクテッドカー技術により日産のグローバルサプライチェーンも大幅に合理化され、ジャスト・イン・タイムの物流体制で工場から販売会社までの製造効率が高まるという。
新戦略の鍵を握るのは、新興市場や既存の日産車オーナーを含め、全ての顧客にコネクテッドカー・サービスを提供できるようになることだ。まず、日本とインドを皮切りに、新車販売時にディーラーオプションでコネクテッド技術の購入を可能とし、2020年までに他の国々にも拡大していく。 より低価格でコネクテッドカー・サービスの提供を実現するために、様々なコネクテッド技術も開発中だという。これによって、従来コネクテッドカーではなかった既存オーナーにもコネクテッドカー・サービスの提供ができるようになり、コネクテッド技術を利用したマイカー管理という新たなメリットを受けられる。
日産はパーソナル化とアクセサリーを中心に、アフターセールス事業を強化していく。フランスのフラン工場で生産する新型「マイクラ」を皮切りに、顧客の選択肢を増やすため製造・設計工程を進化させている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。