OTSL、自動運転向けミリ波レーダのリアルタイム・シミュレータ 「Advanced Millimeter Wave Radar Simulator」を提供開始

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近距離無線システムおよび組込みシステム等の開発・販売を行う株式会社OTSLは、自動運転向けミリ波レーダのリアルタイム・シミュレータ「Advanced Millimeter Wave Radar Simulator」 (AMMWRシミュレータ)」の提供を開始すると発表した。

ミリ波レーダとは、波長が1~10mm、周波数が30~300GHzのミリ波帯域の電波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や方向、大きさを測る技術だ。直進性の高さや精度の高さなどが特長で、多くの自動車メーカーで採用されている。

AMMWRシミュレータは、ミリ波レーダを仮想的に3次元画像化し、照射範囲、角度、距離、反射強度、対象物との相対速度などの計算値をリアルタイムに可視化する。それにより、ミリ波レーダを搭載する自動車を仮想空間で走行させ、対象物となる追尾車や対向車、歩行者などの仮想モデルを移動させることで、より現実の運転状況に近いシミュレーションを行うことができる。

自動運転の需要が拡大する中、ミリ波レーダをはじめ、カメラ、赤外線、超音波などのセンシング技術の向上が、高いレベルの自動運転を実現する重要な鍵となる。特に、現実の複雑な道路状況を正確に再現できる高性能な自動運転向けセンサ・シミュレータへの期待が高まっている。

従来型のシミュレータ製品は、ミリ波レーダの照射モデル、対象物のモデルとも静止している状態でしかシミュレーションできず、時間の経過と共に連続的に変化する反射特性などの詳細なデータは収集できないため、現実の運転状況の詳細な再現は困難だった。

それに対し、AMMWRシミュレータは、対象物となる車や歩行者、信号、標識などのモデルの大きさや形状、素材を細かく設定できるという。

例えば、従来型の製品では「車」のように単純化したオブジェクトでしか認識できないが、AMMWRシミュレータでは「フロントガラス」や「ヘッドライト」といった車の構成部分を個別にシミュレーションできる。

また、物体との距離を簡易的に数値化することにとどまっていた従来製品に対し、同シミュレータはセンサから発するミリ波の送受信挙動をシミュレーションすることにより物体を検知し、高精度な距離計測を再現する。

ミリ波レーダの照射強度や範囲、周波数などの特性も自由に設定可能なため、様々なメーカのミリ波レーダ製品をはじめ、試作中のミリ波レーダ製品のシミュレーションを行うことも可能だ。

雨や霧など天候の変化がミリ波レーダの特性に与える影響も設定が可能。可視化された3次元画像の視点を自由に変えられるため、運転席からの視点や上空からの俯瞰、後方視界など様々な場面を想定してシミュレーションできる。

同シミュレータを利用することで、自動車メーカーはセンサーのモデル化により実車によるテスト走行を実施することなくシミュレーションで走行を再現し、自動運転の認識、制御などの確認、車両へのセンサ取り付け位置の検証を効率的に行うことができる。

一方、システムサプライ・メーカー(車載センサメーカー)は、車載におけるセンサの挙動を見える化することで、ミリ波モジュールの設計パラメータの検討、到達距離・認識領域の確認を効率化できる。センサーデバイスを開発する半導体メーカーは、開発中のデバイスをモデル化してシミュレーションし、高速に検証を行うことが可能になる。

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