日産自動車株式会社は本年1月3日、ドライバーの脳波を測定し、運転を支援する研究について発表した。日産は、同社独自の脳波測定による運転支援技術(Brain-to-Vehicle、以下、B2V)は、「ドライバーの反応時間を早め、ドライビングをよりエキサイティングなものにし、ドライバーとクルマの関係を再定義する」としている。
なお、同技術は、日産のコンセプトである「ニッサン インテリジェント モビリティ」の最新の成果として発表された。
B2Vは、脳波測定技術を適用する研究の成果で、ドライバーが行う次の運転操作のタイミングやドライバーが持つ違和感を把握し、ドライバーが違和感を持たない自然な制御の自動運転にカスタマイズすることを可能にするものだという。
ドライバーがステアリングを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に、脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始する。それにより、ドライバーの反応の遅れをカバーし、ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートするということだ。
B2V技術は、ステアリング操作などの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイム検出、また、ドライバーが思い描いた運転と、実際に行われている運転が違うと感じるときのエラー関連電位(Error Related Potential)を計測可能とした。
また、同技術は、ドライバーがヘッドセットを着用することで計測された脳波をシステムが解析、判断し、自動運転に適用。また、マニュアル運転時には、脳波によってドライバーの意思を把握すると、ドライバーが操作を開始する0.2~0.5秒前にクルマが運転操作を開始するという。
このことにより、ドライバーはシステムのサポートを意識することなく、スムーズに走行することができるようになるということだ。
【関連リンク】
・ニッサン インテリジェント モビリティ
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。