本稿は、本日、NVIDIAのブログ記事で発表された内容である。
先週、サンノゼで開催されたGPU テクノロジ カンファレンスにて、NTT ドコモのデータ サイエンティストを務める石黒慎氏によるセッションが開催され、タクシードライバーのニーズに応えた同社のソリューションが紹介された。
石黒氏は、タクシードライバーの抱える大きな問題とは、需要のある場所や時間帯を予測するのが困難であることだと指摘した。
世界中で広く知られているライドシェアリング サービスは日本では法律で許可されていませんが、スマートフォンでアプリをチェックするだけで、どこへ行けば次の乗客を見つけられるかがわかる点は、ドライバーにとって非常に魅力的だ。
タクシー会社はタクシーを呼んだ人に配車することはできても、タクシーに乗りたい人がいる場所をドライバーに教えることはできない。
この問題を解消するために、NTT ドコモの石黒氏のチームは、タクシードライバーが次の乗客を探すのに役立つアプリを開発。このアプリは既に、ドライバーの売上アップにつながっている。
NTT ドコモのデータ サイエンティストが開発したアプリは、携帯電話の信号から取得した匿名データを活用して、人口密度の高い場所を検出する。
次に、NVIDIA DGX-1 スーパーコンピューターで実行されるディープラーニング アルゴリズムを使用して、その人口密度データを、タクシードライバーが収集したタクシーの需要に関する情報にマッピングする。
NTT ドコモは、携帯電話の使用状況に基づいて需要を予測するために Stacked denoising Autoencoder (SdA) アルゴリズムを使用している。SdA とは、機械が一見無作為なデータからパターンを認識できるようにするための比較的新しいディープラーニングの手法だ。
利用客のいる場所に関する情報はアプリを通じて提供され、タクシー運転手はタッチ画面からアプリにアクセスして情報を入手できる。
予測結果は驚くほど正確だ。NTT ドコモのアプリは、2 月 15 日から東京で 1,350 台、名古屋で 1,150 台のタクシーに導入され、タクシーの需要を 92.9% の精度で予測している。
その結果、プログラムに参加しているドライバーは、参加していないドライバーと比較して、1 日あたり 1,409 円 の売上増を達成している。数日、数週間と利用を続けていけば、この差はさらに拡大するだろう。
【関連リンク】
・エヌビディア(NVIDIA)
・NTTドコモ(NTT docomo)
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