情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク総合研究センターは、第5世代移動通信システム(5G)の超低遅延通信等を活用した知的交通インフラの構築に向けて、横須賀リサーチパーク(YRP)に交差点を模擬した試験環境を構築した。
同環境下において、カメラ/センサ内蔵の「電子カーブミラー」を活用することで、高度地図データベース(ダイナミックマップ)に反映を想定した時々刻々と変化する道路状況の情報を収集・統合することにより、見通しが悪い交差点付近の道路環境をリアルタイムに把握可能であることを確認したという。
この成果により、工事の回避や車の飛出しの予測などを支援し、今後普及が予想される自律型モビリティシステムを実現する知的交通インフラの構築が期待できる。
近い将来、膨大で多様な自律型モビリティの普及が期待されており、それを支える高信頼な知的交通インフラが求められている。道路では、渋滞、規制、工事等の多様な組合せの中で様々な移動体が動いており、自律型モビリティによる交通を実現するためには、周辺環境を正確かつリアルタイムに把握する必要がある。
そのため、多数のセンサ情報を無線通信により、収集して高度地図データベース(ダイナミックマップ)を構築する技術の確立が求められている。また、5Gの超低遅延等、NICTにおいても関連技術の研究開発を実施している様々な無線システムの利用可能性を評価するため、性能を定量的に測定する環境が必要だった。
NICTは、5Gを想定した無線通信を用いて、横須賀リサーチパーク(YRP)内に模擬交差点の試験環境を構築し、以下の内容を開発・確認した。
- 設置された電子カーブミラーには、センサとしてステレオカメラとLRF(レーザ測距器)が内蔵されており、車等の移動体や障害物の位置、速度、種類等をリアルタイムに認識
- 画像圧縮や切出し等の情報処理によりデータ量を削減した後、5Gを模擬した無線システムによりエッジサーバにセンサ情報を送信
- センサ情報のダイナミックマップへの反映を想定し、エッジサーバでは、複数のセンサ情報から特徴量(位置、速度、種類など)を抽出して道路環境の変化を認識
- 無線通信に起因する伝送時間の差異を吸収するため、認識した情報にはセンサ間で同期されたタイムスタンプを付与。エッジサーバにおいて、センサ情報が統合され、同時刻の道路環境のスナップショットを生成
これらの結果により、データ量の削減によって無線資源を効率的に利用しながらも、多数のセンサを活用して道路環境を高信頼に把握できることを確認したという。
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・情報通信研究機構(NICT)
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