FAプロダクツなど3社、製造業特化型高速クラウドサービス 「FA Cloud」を共同開発

株式会社FAプロダクツは、MODE, Inc.(本社:米国カリフォルニア州)、株式会社神戸デジタル・ラボと共同で、製造業特化型高速クラウドサービス「FA Cloud」を開発、本年9月下旬より提供を開始すると発表した。

「FA Cloud」開発の背景

製造現場ではIoT技術の活用が求められているものの、肝心のデータについて「活用すべきデータが収集できていない」「収集できても活用できる状態になっていない」という課題がある。

しかし、データ収集をし始めている企業は着実に増えており、データベース構築のニーズは日々高まっている。

また、現在多くのクラウド型データベースサービスが提供されているが、製造業に特化したものが少なく、品質データ、工程データなど大量のデータを素早く取り出したり分析したりしながら、製造業で求められる使い勝手やセキュリティを同時に実現できるサービスが求められている。

クラウド型サービスとして提供する理由

FAプロダクツは、データベース構築には大きく「クラウド型」と「自社サーバー(オンプレミス)型」の2パターンがあり、それぞれ下記の特徴があるとしている。

<クラウド型>

・初期費用    :0円~
・初期検討工数  :1週間
・ランニングコスト:数万円/月~
・管理工数    :無し
・機能拡張性   :各種アプリケーションと連携
・容量拡張性   :必要に応じて随時
・応答性     :利用データベースと通信環境次第
・セキュリティ対策:クラウド・セキュリティのプロが対応

<自社サーバー型>

・初期費用    :数百万円~
・初期検討工数  :3ヵ月
・ランニングコスト:-
・管理工数    :OS更新、ハード更新など
・機能拡張性   :都度検証が必要
・容量拡張性   :構築時の設計に依存
・応答性     :コスト次第
・セキュリティ対策:自社で永続的な対応が必要

自社サーバーでデータベース構築をする場合、初期投資費用が高くなりがちで、仕様をしっかり吟味してから導入する必要がある。

データ保存容量、処理能力などの見積もりを誤ってしまうと、能力が不足した際に大掛かりなシステム再構築が必要になったり、逆の場合オーバースペックになり、無駄なコストをかけてしまったりすることになりかねない。

その点、クラウドを活用してデータベース構築をした場合、初期投資費用が抑えられることに加え、将来的な能力強化が簡単に行えるため、運用しながら自社に最適なシステム構築を行うことができるという。

セキュリティ対策についても、クラウド型の場合は更新プログラムの管理を含めてクラウド・セキュリティのプロが厳格な基準をもとに強固なセキュリティ環境を担保するが、自社サーバーの場合は運用を続ける限り自社で管理が必要になる。

これらの背景から、データベース構築をスタートしやすく、適切なコストで安全な運用が可能なクラウド型サービスの開発に至ったという。

「FA Cloud」の3つの特徴

「FA Cloud」には次の3つの特徴がある。

1. 高速

MODE, Inc.の高速時系列データベース技術を採用することで、関係データベース(リレーショナルデータベース:RDB)と比較して、最大約2,000倍の高速処理を実現(FAプロダクツ調べ)。

製造業においてはトレーサビリティデータ、品質管理データなどデータ量が多くなり、従来方式ではレスポンスが遅くなりがだが、求めるデータを高速に抽出、解析できるため、ストレスがない運用を実現する。

2. すぐに導入

クラウドサービスだけではなく、多くのPLC(プログラマブルロジックコントローラ)や産業機器に対応した、製造現場視点のデータ収集システム、携帯回線を活用した通信環境など、製造現場が導入しやすい様にパッケージとして提供。

また、可視化(BI)ツールや分析ツールも、本社、工場長、製造現場など、それぞれの役割ごとに求められる表現にあわせて提供する。

3. 優れたセキュリティ対策と拡張性

各種ツール開発及びセキュリティ対策は、多くの情報セキュリティソリューションで実績を持つ神戸デジタル・ラボが開発。「稼働監視ツール」をはじめ、順次開発を予定している。

自社サービス以外にも、主要クラウドサービスとAPIの提供による接続を予定しているため、パッケージとしてそのまま導入する以外にも、多くの既存サービスや、これから提供されるサービスとの連携が可能。これにより、将来にわたり、最新の技術・サービスを最適な組み合わせで活用することができるという。

【関連リンク】
FAプロダクツ(FA Products)
モード(MODE)
神戸デジタル・ラボ(Kobe Digital Labo)

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