多数のホワイトハッカーが在籍する神戸デジタル・ラボが、セキュリティ対策を監修
小泉: 神戸デジタル・ラボ(以下、KDL)さんは、どのように連携されているのでしょうか。
株式会社神戸デジタル・ラボ 村岡正和氏(以下、村岡): MODEさんはIoTのデータストレージの部分を担われていますが、それ以外の「FA Cloud」に必要なミドルウェアやフロントエンドの実装が、SIerである私たちの役目です。
さきほどお話にあったように、MODEさんは非常に高性能な時系列データベースをお持ちです。それによって、「大量のデータを高速で捌けるか」ということを、私たちは(SIerとして)気にする必要がありませんから、全体として大きなコストバリューになると考えています。
また、「FA Cloud」を製造業の方々に使っていただく際に重要なポイントは、セキュリティです。弊社はSIerでありながら、単独でセキュリティ事業部を持っています。そこには約20名のホワイトハッカーが常駐し、セキュリティの診断業務を行っています。
ですから、(ユーザーの)セキュリティを担保できるとともに、セキュリティを意識したシステム構築が可能です。インフラにおいても、アプリケーションにおいても、信頼性の高いシステムを提供できることに弊社のバリューがあるのではないかと思っています。

小泉: MODEさんのしくみを使うと、データを集めて設備の稼働状況を「可視化」するなどはできます。御社(KDL)が開発するのはそれより上のアプリケーションになると思いますが、たとえばどのような機能がありますか。
村岡: おっしゃる通り、可視化であればMODEさんだけで可能です。弊社としては、日本国内の企業それぞれに合わせた細かなケアが、最終的にはお客様のユーザーエクスペリエンスに大きく貢献するところだと思っています。
たとえば、同じダッシュボードでも、お客様の事業部ごとにグループをつくり、画面ごとに管理権限を分けるといったことは、あまり実装されていません。そのあたりの細かな実装が、弊社の役割になります。
上野: たとえば、「ガントチャート」がありますね(下の図)。
村岡: ええ、ガントチャートがまさにそうです。
上野: ガントチャートは、日本のお客様がよく見たがる機能です。ただ、面白いことに、US(アメリカ)では、ガントチャートを欲しいというお客さんはほとんどいません。
小泉: それはなぜですか。

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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。