ベッコフオートメーションが行う年次イベント、Beckhoff Technology Days 2018が横浜みなとみらいで開催された。
そこでは、先端的な取り組みが紹介されていた。第一弾は、株式会社フジクラ 先端技術総合研究所 博士 柏木正浩 氏による良品検査のためのAI活用についてだ。
フジクラは通信ケーブルや電線などを作るメーカーで、現在ディープラーニングを活用したものづくりを進めていて、その結果、自動化のみならず、リードタイムの削減も実現されたのだという。
具体的には、画像認識技術を活用し、良品検査を行ったのだというのだが、実際にやってみると学習頻度の高い領域は精度が高く、可能性が低いと精度が落ちるという事象が起きたのだという。そこで、複数のAIモデルを使うことで、得意な領域を重ね合わせて精度を高めていったいうことだ。
これまでは、良品検査というと厚さの測定と、目視による検査をしていたのだが、画像解析を活用したAIによって高速に検査することが可能となったのだという。判定精度としては、現状90.8%まで実現できているということだ。
他にも、「圧着端子検査」についてもAIを使った検査ができないかというPoCでは、99%程度認識率となり、人間が認識できる以上の品質の状態もわかるようになってきているということだ。
関連リンク:
株式会社フジクラ
コアコンセプト・テクノロジーの製造業におけるAI活用への取り組み
続いて登壇したのが、ベッコフのパートナー企業である、株式会社コアコンセプト・テクノロジー社の取締役CTO 田口 紀成氏の公演だ。
現在、ゲートウエイで、一つのOSですべてのデータが取れるので、IPCサーバを使ってデータを集めているのだという。
コアコンセプト・テクノロジー社は、製造業の世界では、「不良品の発生原因がわからない」「定性的な分析ができない」「CNC, PLCがメーカーごとに仕様が違うのでデータが集められない」「コストが高くて開発が進まない」といったシーンで活躍している企業なのだという。
講演では、プリント基板穴明け工程のIoT化と職人技術のAI化について話があった。
具体的には、位置ズレの現象を定量化して見える化していったり、CNCからデータを取得するというものだ。44箇所の温度センサーと1箇所の振動センサー、3箇所の振動センサーを使ってデータを収集したのだという。
また、工作機械の中で温度がどうなっているかについて、ARで表現するという取り組みついても紹介された。
関連リンク:
株式会社コアコンセプト・テクノロジー
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。