現在、石炭火力発電所では、石炭をボイラで燃す際、炭の種類によって混載や混焼ができない等の制約があるため、熟練技術者が経験やノウハウに基づいて、それらの制約を考慮し複数のボイラ等のスケジュールを調整しながら運用を行っているという課題がある。
関西電力株式会社と株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、石炭火力発電所の燃料運用最適化を行うAIソリューションの共同開発に関して、本年2月5日に基本合意した。
今回、関西電力とDeNAは、熟練技術者による燃料運用のスケジューリング作業の自動化を目指し、関西電力が設定した課題や運用条件に基づいて、一般的にゲームAIに用いられる、膨大な組合せの中から最適なものを探索する技術をDeNAが導入し、アルゴリズムを構築した。
その結果、熟練技術者が半日程度要するスケジューリング作業を、数分程度で自動作成可能とし、経験の浅い技術者でも容易に扱うことができる燃料運用最適化システムの開発の目処が立ったという。
今回のシステムでは、従来よりも複雑で細かなスケジュールを作成でき、様々な運用条件でのスケジュールを短時間で比較検討できると見込まれている。
また、DeNAが構築したアルゴリズムは、原材料受入から製品生産までのプロセスを持つ幅広い分野でのスケジューリングへの適用が期待できるため、2020年代前半を目標に関西電力が提供する「K-VaCS(ケイバックス)」のサービスの一つとして、他社への展開・導入を両社共同で進めていく方針だ。
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