ハノーバーメッセレポートの第七弾はiSmartTechnologiesのソリューションだ。
昨年のハノーバーメッセでも取材を行ったが、今回の展示では昨年から、さらに進んで、タイの工場との接続も実現していた。
製造ラインモニタリングサービス
今回の展示では、製造の現場でのサイクルタイム(ここでは、1個製造する時間)を表示していた。
設備の稼働状況や、一日当たりに製造する個数をクラウド上に保持し、生産進捗や設備が停止している状況を可視化をするというものだ。
そして、実際の現場で「なぜこうなったのか」「どう改善するのか」ということを議論するためのサービスだ。
上図中段左のサイクルタイム(CT)のグラフは、1つ1つの点がサイクルタイムを現している。これが、ばらついているとサイクルタイムがばらついているというわけだ。
今までは人が1個製造する時間をストップウォッチで計測していたところを、デジタルで計測することで、「ばらついているところだけ」に着目して改善をすることができる。
つまり、デジタルを活用するポイントとしては、「見るポイントを絞ることができる」ということだ。
例えば、品番1を作っていて、品番2を作るとばらつきが大きくなったという場合、品番2の製造プロセスから改善しようとなる。
また、システムが表示する「停止理由」も合わせてみることで、停止時間が長いところや、一日を通して頻出している停止理由が同じところから改善していくということになる。
タイの工場とも実際につないでリアルタイムに可視化
また、今年の展示では、タイの工場での実際の生産現場とデータをつなぎ、可視化しているデモも行われていた。
上の画像と、トップ画像がそれにあたるのだが、トップ画像ではタイの工場の様子も映像でわかるようになっている。
このデモでは、協業関係にあるウイングアーク1stのMotionboardをつかって、現地に設置されたカメラを通した現場の確認と、稼働状態の監視を実現しているというものだ。
生産進捗を工場をまたいで可視化し、短い間隔で改善活動を行うということが実現されている好例と言える。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。