従来、ターボブロワの設備管理業務は、日常の管理業務や各種帳票作成業務などの負荷が大きく、加えて人手不足への対応や属人化している業務ノウハウの伝承困難といった課題があった。また、機器にトラブルが発生した場合に、保守サービス会社が現地に駆け付けてから原因究明に当たるため、解消までに時間を要していた。
ソフトバンク株式会社と新明和工業株式会社は、Microsoft Azureを活用したAIとIoTによる遠隔監視保全システムを開発し、新明和工業が新たに販売する排水処理設備に使用されるばっ気装置ターボブロワ遠隔監視サービスとして、本年9月1日から提供を開始する。
同システムでは、ターボブロワ遠隔監視システムが周期的に計測しているターボブロワの運転データの各種パラメーター値を、独自開発したアルゴリズムによって、ソフトバンクが提供するモバイルネットワークを介してMicrosoft Azureにアップロードすることで、遠隔地からでもリアルタイムにターボブロワの稼働状況の把握ができる。
同システムにより、IoTによるターボブロワの遠隔監視、AIによる運転データの分析・予防保全などのデジタルトランスフォーメーションを推進することで、工場や施設におけるターボブロワの安定稼働と、管理者の確認作業の負荷低減による運営管理のコスト削減が期待されている。
また、同システムを導入して運転データや各種情報を数値化することで、機器トラブルが発生した際の初動対応の迅速化や故障原因の早期特定、ダウンタイムを極小化することが期待されている。さらに、管理業務や帳票作成業務の自動化、管理ノウハウの可視化も行う。
また、遠隔地から管理することを前提に、ターボブロワに搭載されている実際の操作パネルを模してパソコンに表示する画面のレイアウトを開発したため、違和感なくターボブロワの運転データを確認できる。
今回ソフトバンクは、新明和工業に向けて、5G、LPWAの対応や、閉域ネットワーク、セキュリティーを含むMicrosoft Azureに適した通信環境の要件定義を支援しつつ、デジタルトランスフォーメーションに必要となるAIとIoTによる業務プロセスの構築とMicrosoft Azureの特性を生かしたカスタマイズや、セキュリティー対策などを行った。
また、新明和工業は、このシステムを導入した企業に対してコンサルティングおよび保守サービスを提供していく。
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