近年、製造業では、工場の製造プロセスや設備メーカーの保守サービスでIoTやAIが活用され始めており、今後、製造業のバリューチェーンのデジタル化が進展し、グローバルでのデータ活用や企業間でのデータ流通のニーズの増大が見込まれている。しかし、デジタル化の取り組みを進める上で、初期コストの大きさやリードタイムの長さ、投資対効果の判断の難しさなどにより、IoT導入に本格的に踏み切れない企業も多くある。
東芝デジタルソリューションズ株式会社では、製造現場のIoTデータの収集・蓄積や効果的な活用を実現する「ものづくりIoTソリューション Meisterシリーズ」を2016年4月から提供しており、さまざまな製造業の顧客や東芝グループの工場への導入が進んでいる。
今回、同社は、製造業のバリューチェーンのデジタル化の進展に対応するため「製造業向けIoTサービス Meister Cloudシリーズ」を2019年12月上旬から販売開始する。東芝グループのものづくりのノウハウを凝縮したデジタルツインの統合データモデルに、工場の製造プロセスや、工場設備のO&M業務を高度化するアプリケーションやテンプレートを組み合わせて、サブスクリプション型のサービスとして提供する。
今回販売を開始するサービスは、製造工程をスルーした製品のトレーサビリティや、製造状況の変化点の5M1E(※)での見える化を実現する「ものづくりIoTクラウドサービス Meister ManufactX」、設備メーカーの遠隔監視や運用の最適化をサポートする「設備メーカー向けアセットIoTクラウドサービス Meister RemoteX」だ。製造業で実績のあるアプリケーションやUIテンプレートで、目的に応じて最適なモジュールを組み合わせて活用できる。
同サービスは、「東芝IoTリファレンスアーキテクチャー」に沿って開発・整備したIoTサービスだ。東芝IoTリファレンスアーキテクチャーとは、東芝がサイバー・フィジカル・システム実現のためのフレームワークとして、IICやNIST、Acatechなど、世界のリファレンスアーキテクチャーのスタンダードを踏襲して整備したものだ。
同サービスにより、工場内だけでなく、海外拠点やサプライヤーまでを横断したものづくりのバリューチェーンでのトレーサビリティ、工場と設備メーカーとの間でのデータ共有が可能となる。また、初期投資を抑えて必要な時に必要なだけサービスを利用でき、ビジネスの拡大に応じたスケールアップも可能だ。さらに、クラウド上で提供されるさまざまなベンダーのアプリケーションや自社開発のアプリケーションを組み合わせて利用することができる。
※人(Man)、機械・設備(Machine)、方法(Method)、原料・材料(Material)、測定、検査(Measurement)、環境(Environment)
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