東芝、製造業のものづくりをIoTで変革する「次世代ものづくりソリューション」の提供開始

株式会社 東芝は、製造業における”ものづくり”を変革する「次世代ものづくりソリューション」を2016年4月から販売する。今回販売を開始するのは、ものづくりの現場のIoTデータの収集・蓄積・活用を支援するソリューションで、エッジ(注1)からクラウドまでのIoT/ICT技術を生かすものだという。

 

「次世代ものづくりソリューション」は、Industrie4.0やインダストリアル・インターネットなどで提唱されている製造業における次世代型のものづくりに対応し、製造現場やフィールド、顧客の利用現場に設置された製品・機械をネットワークに接続し、効率・歩留り向上や新しい価値の創造に貢献する。

同社の長年にわたる、半導体から社会インフラ設備までの幅広い事業領域で培ってきた製造業としてのものづくりの知見や、社会インフラ・産業用の遠隔監視・保守のノウハウに加え、グローバルメジャー各社とのアライアンスによる最新のIoT技術を取り入れ、商品化を進めたもの。

 

今回提供が開始されるソリューションは、ものづくりの現場の更なる生産性向上や品質改善を支援するものだ。

爆発的に増加する製造現場でのIoTデータを効率良く収集・処理しつつ、ものづくりバリューチェーン(注2)全体でのデータを有機的に結合・蓄積する。更にこれらのデータを用いることで、製造現場からグローバルな市場において、“今起きていること”を精緻に”見える化”する。

また、同社独自の分析技術を用いたIoTビッグデータ分析により、IoTデータを活用した製造現場の最適化、製造プロセスの品質・生産性の向上を目指している。

 

情報収集をサポート

製造業向けIoTソリューション(Meister IoT[マイスター アイオーティー])
~さまざまな製品・装置のスマート化・ネットワーク接続を容易に行え、現場・エッジでリアルタイム処理を実現~

製造現場やフィールドのさまざまな製品・機械・装置等に「後付け・外付け」でセンサーや通信機能を容易に付加でき、しかも現場やオンサイトで現場状況や使用環境に適した処理をエッジで行える、東芝の推奨するエッジリッチ(注3)なIoT導入を可能にする。

さらに長年培ってきた画像認識・画像処理技術等をエッジで行えるため、処理時間制約の厳しい製造現場や、産業用機器やインフラ機器の設置サイトで、従来クラウドコンピューティングだけでは難しかったリアルタイム性の高い低遅延処理にも適用可能。

 

情報蓄積をサポート

ものづくり情報プラットフォーム(Meister DigitalTwin[マイスター デジタルツイン])
~製品ライフサイクルの各プロセスをデジタルデータでシームレスにつなぎ、リアルタイムに蓄積~

同社の半導体から社会インフラ設備までの豊富なものづくりの経験から導き出された汎用的なデータモデルと、社会インフラシステム構築で実績のある統合ビッグデータソリューション(GridDBなど)を活用することにより、製造から運転・保守までのライフサイクルでの多種多様なデータを、高速に関連付け、リアルタイムに蓄積することができる情報プラットフォーム。

これにより、”現場で起こっていること”をデジタル空間上で正確に再現することで、統合的に管理可能とし、ものづくりのバリューチェーンの全体最適化につなげていく。

 

情報活用をサポート

つながる工場の見える化ソリューション(Meister Visualizer[マイスター ビジュアライザー])
~グローバルな製造現場や運転・保守現場のモニタリングデータをリアルタイムかつ精緻に見える化~

同社独自のリアルタイムデータ処理技術と、ユーザーインターフェース技術を連携させることで、ビジネスデータのみならず、刻々と変化する現場のデータや、継続的な解析データをリアルタイムに“見える化”する。一つの工場単位はもちろん、IoTネットワークでつながる全世界の各工場での生産状況や品質情報を精緻に把握することが可能となり、リアルタイムで管理者や経営者の気づきを誘発し、スピーディーな意思決定が可能となる。

ものづくりBigData分析・活用ソリューション(Meister Analysis[マイスター アナリシス])
~“匠”も気付くことがなかった”因果”を発見し、更なる品質・生産性向上を実現~

同社の半導体工場他での知見を活用した「事象パターン分析技術」(注4)等を用いて、製造プロセス内で発生する膨大なデータから、さまざまな事象の複雑な相関関係を分析し、熟練の技術者でさえも見極め切れなかった不良や故障の要因、新たなボトルネックを見いだして形式知化し、これを生産現場にフィードバックすることで、歩留りと生産性の継続的な向上へ利活用できる。

 

同社は今後、ものづくりの次世代化に向けて、製造現場だけでなく製品ライフサイクル全般でのソリューションを提供していくという。

また、今回リリースする商品に加え、従来から製造業の主要業務プロセスをサポートしてきた、グローバルものづくりソリューション「Meisterシリーズ」について、次世代型のものづくりに対応した機能強化にも取り組んでいる。

 

(注1) エッジ: 製造現場や製品を使用する場所など、データの発生源に近い場所のこと。
(注2) バリューチェーン: 商品企画から設計・開発・製造・販売等の製造業の一連の企業活動のこと。
(注3) エッジリッチ:エッジコンピューティングに比べて更に高度な分析等の処理をエッジ(現場・機器)側で実施すること。
(注4) 事象パターン分析技術: 多数のイベント系列の中から、特定の結果に至る確度の高いイベントの組み合わせ(パターン)を抽出する東芝独自の分析技術。不良や故障の原因推定、異常予測のモデル作成に活用することができる。

 

【関連リンク】
東芝(TOSHIBA)

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