CTC、三重県工業研究所とAI活用した陶磁器の材料開発の実証実験を開始

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は1月12日、三重県内の企業に窯業の技術支援を行う、三重県工業研究所窯業研究室(三重県四日市市)と、AI(人工知能)を使った陶磁器の材料開発の実証実験を開始したと発表した。

CTCでは、AIを活用し、窯業研究室の研究テーマでもある陶磁器の機能性向上を目的に、原料配合や焼成条件の最適化や代替原料の発見に取り組む。具体的には、陶磁器製造に関する各種のデータを基に、耐熱性や吸水率など機能性向上のために最適な原料配合や焼成条件を探索するAIモデルの作成を行う。

AIモデル作成に向けては、過去の実験で求められた原料配合や焼成条件、性能を入力し、化学成分などを含めた整理を実施。作成したAIモデルから、原料を効率的に利用し、耐熱性や吸水率などの機能性を、さらに向上させる条件を探索する。

さらに、AIで求められた条件で陶磁器を作製。意図した結果が得られるかを検証し、新しいデータを加えることで、AIモデルの精度向上と、材料開発に有用なモデルの開発を目指す。実験は2022年8月に開始。12月からはAIモデルの改善にも着手している。今後は、土鍋などの耐熱陶器にも利用可能な材料の探索も実施する予定。

三重県は、土鍋などの耐熱陶器や、急須、花瓶などの花器の国内有数の産地で、国産土鍋では国内で80%のシェアを持つ。三重県工業研究所窯業研究室は、窯業の原材料の試験研究や製品のデザイン開発、技術支援・人材育成に取り組んでいる。

陶磁器製造では原料配合や温度などの焼成条件は、産地の特性や長年の経験や試行錯誤によって決められていた。また、原材料の高騰や枯渇などの影響もあり、原料の効率的な消費や代替原料などが求められているという。CTCでは、三重県工業研究所窯業研究室と実験を通じて、こうした課題の解決に取り組む。

CTCは、材料分析の分野で30年以上のソリューション提供の実績があり、蓄積したノウハウに基づき、AIのデータ分析技術を利用した素材・材料研究「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」を進めている。MI分野では、材料開発の環境構築支援サービス「MI Success Lab」や材料解析ソリューションなどのサービスを提供する。今回の取り組みは、CTCが始めた伝統工芸でAI活用を図る「NeuCraft」プロジェクトの京都・宇治の朝日焼のデザイン生成AIモデルに続く、第2弾となる。

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