オリエントブレイン、ニッチ分野の「防爆カメラ」で市場開拓 スマート工場EXPOレポート

製造業向けのIoTやAI、ロボットを活用した自動化、省人化技術などを扱う専門展「第7回スマート工場EXPO」(主催・RX Japan)が、東京ビッグサイトで1月25日~27日まで開催されている。

「スマート工場EXPO」は、同時に開催しているスマート物流EXPOなどと合わせて1420社が出展。今回はコロナ禍でありながらも、本格的な対面での商談展示会とあって、出展社の多くが既存製品やサービスのアピールに力を入れていた。設備管理や書類電子化のソリューションなどが多い中、目を引いたのがカメラを活用したシステムだ。

その中で、オリエントブレインのブースをレポートする。同社は工場などでのカメラ監視ソリューションでなく、プラントや危険物貯蔵庫などを監視する「防爆カメラ」を展示している。

「防爆カメラ」とは、国際基準に対応する耐圧防爆構造で作られており、危険環境で使用した場合で、カメラ自体が爆発しても外部へ爆発の影響が及ばない構造で作られたカメラを指す。

主に可燃ガス・蒸気などを扱う工場や事業場で、そのガスや蒸気が空気と混合して揮発性ガスになり、電気火花などの点火源に触れて爆発や火災を防ぐための監視カメラとして利用されている。オリエントブレインは、この防爆カメラを手掛けるメーカーだ。

防爆カメラ「XD-500HDIII」(右)と「XD-500IP-2M」
防爆カメラ「XD-500HDIII」(右)と「XD-500IP-2M」

ブースでは国内初という主力の防爆ネットワークカメラ「XD-500HDIII」と「XD-500IP-2M」などを展示。「XD-500HDIII」と「XD-500IP-2M」は、対環境性に優れているのが特長で、水素、アセチレンガス、二硫化炭素などの危険性のある全てのガス環境に使用できる。

「XD-500HDIII」は、20倍の光学ズームレンズ、有効210万画素のCMOSセンサーを搭載しており、ハイビジョン画質で監視が行えるという。同社によると、防爆カメラでズーム機能を備えた製品はほとんどないという。「XD-500IP-2M」もデジタルズーム機能を備える。

カメラはPCやモニター、画像などを記録するハードディスクレコーダーでシステムとして構成。撮影した映像はIPネットワーク経由で専用の監視ソフトで閲覧や解析ができる。

こうした一連の製品は石油化学プラント、医薬品メーカーの工場、化学製品メーカーの工場などでの利用を見込んでいる。同社は「防爆カメラはニッチな製品ということもあり、プレーヤーは少ない。だから、高機能な製品を提供する当社には優位性があると思っている」(ブース担当者)と説明。

また、危険環境を監視するカメラはこれまでもあったが、人手不足などから現場作業員の確保が難しくなったことなどを理由に需要が高まっているという。

「防爆カメラは、特定の分野のものだが、逆にそれが、当社にとって一般的な工場の監視カメラ製品よりもビジネスの機会は大きくなると思っている。また、省人化などによる、工場のデジタル化の機運の高まりも追い風になっている。こうしたチャンスを生かしていきたい」(同)としている。

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