サッポロホールディングス(HD)グループのポッカサッポロフード&ビバレッジは2月15日、群馬工場の豆乳ヨーグルトのために搾った豆乳「原豆乳」の製造で、熟達者の知見をAI化した技術継承の取り組みを開始したと発表した。
今回の取り組みでは「ブレインモデル」と呼ぶ、熟達者の知見や思考をデータ化したものを構築し製造技術の知識共有プラットフォームを開発する。
具体的には、まず、原豆乳製造で熟達者の思考をヒアリングにより言語化。次に、作業工程・検討工程の見える化を実現する「IndstPark」というプロダクトを活用し、現場学習のソリューションを作成することで、製造工程の背景にある原理原則、工程の運用方法までを理解できるようにする。「IndstPark」は、AI関連企業のLIGHTzが開発した。
この仕組みによって、製造工程の詳細の把握を始め、その製造工程が全体の中でどのように位置づけられており、ほかの工程とどう関わっているか、一目で関連付けて確認することができるようになるという。
ポッカサッポロフード&ビバレッジでは、プラットフォームを活用することで、経験の少ない社員でも一つの製造工程だけでなく、全体を理解することが可能になり、育成期間の短縮、工場全体の生産能力アップにつながると見込む。また。今後の商品づくりをでもスピーディーに取り組めることを期待する。
同社の豆乳ヨーグルト商品は、「原豆乳」から作られており、こだわりの製法「おいしさ丁寧搾り製法」を用いて製造されている。この製法を始めとする製造技術は、約500以上の要素が複雑に関係しあう工程の理解と、何十年にも渡り熟達者が培った知見をOJTの中で学んで習得することが必要となる。
しかし、現在の製造現場の人材配置やシフト制勤務では、非常に難しく、製造に携わる社員の育成と、技術を会社全体の資産で共有していくことが課題となっていた。そこで今回、その解決のためにAIを活用し、熟達者の知見や思考を言語化し、汎知化できる仕組みづくりの取り組みを始めることにしたという。
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