半導体、エレクトロニクス向けを始めとする省人化ソリューションなどを手掛けるピーエムティー(福岡県須恵町)は2月27日、精密加工業のバックオフィス業務の標準化と、外注加工先との連携強化を支援するシステムツール「GENBA CONNECT(現場コネクト)」を開発したと発表した。
システムは、実績の有無から取り引きのある加工先リストまで、見積もり業務での属人的な暗黙知を集約し、データベースとして形式知化。画像解析とOCRで解析した図面を形状や材質、サイズなどに基づいて類型化し、データベースと照合することで、実績の確認や外注加工先のリストアップといった作業を標準化した。
具体的には、まず図面データを読み込み、OCR解析と画像解析で形状や寸法などの情報を抽出する。図面は、CADなどのソフトウエアから直接出図したものを始め、FAXなどの紙図面をスキャンしたものも読み込むことができる。
次に受発注管理システムとの連携し、図番と品名から実績の有無や過去の発注先、発注金額などを調査。実績のない新規品の場合は、材質や形状、寸法などの情報をデータベースと照合し、加工先リストを抽出する仕組み。
また、加工先の選定が難しい図面や短納期品は「公募」の機能を使用することで、協力関係にある精密加工メーカーと案件を共有できる。「公募」で登録された案件は精密加工メーカー側からも検索可能なため、自発的に案件の獲得ができるようになり、受注機会の増加につながるという。
システム内のデータのやり取りはSSLによって暗号化処理を実施。ヒューマンエラー防止の公募前に図面を編集する機能、ユーザーへの注意喚起メッセージなど、情報のセキュリティ面にも配慮した。
ピーエムティーでは、九州半導体エレクトロニクスイノベーション協議会、ファクトリーサイエンティスト協会などに所属する会員企業へのPRを通じてシステムの認知向上を図り、実際に導入・運用するモニター企業を募る考え。その後、開発メンバーとモニター企業のフィードバックを踏まえ、システムのブラッシュアップ開発を行うとしている。
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