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中国政府は、アメリカとヨーロッパ先進各国からでた製造業強化の戦略を背景に、「中国製造2025」と呼ばれる製造業のスマート化に対する様々なプロジェクトを推進している。特にスマートホームを支える、家電産業を資金面や税制面で支援しているが、コア技術をより迅速に開発するために、これまでは競合関係にあった家電メーカー同士が、この政策によって協力しあっているという。
中国製造2025とは
中国製造2025とは、2015年に発表された製造業強化に関する総合的な中国発展の計画であり、ドイツのインダストリー4.0の概念と類似している。中国政府の製造業の振興を目指す「強国戦略」のアウトラインは、全面的に中国の製造業の水準を大幅に向上させることだ。
「強国戦略」は3段階で分かれており、第1段階は2025年までに日本またはアメリカのような製造強国に仲間入りすること、第2段階は2035年まで世界の製造強国の中級レベルに達成すること、最後の第3段階は新中国建国100周年である2049年までに、トップクラスの製造先進国になることを狙っている。
キーワード:イノベーション
中国製造2025のが重要視しているのは技術のイノベーションであり、特に製造業のスマート化は長期ビジョンとして力点が置かれている。今後、大型な技術研究センターなども多く設立することも予定している。
中国製造2025とIndustry 4.0の比較
2013年、ドイツが情報通信技術と製造業の融合というインダストリー4.0を公表して以来、世界各国も続いて工業強化政策を設定した。中国製造2025は中国バージョンのインダストリー4.0と見られているが、中国製造2025とインダストリー4.0はそれぞれの相違点と共通点がいくつもあり、完全に比べることはできないが、少し見ていこう。
インダストリー4.0が重要視しているのは具体的な技術と生産モデルの開発だが、中国製造2025は、よりマクロな産業発展と政策面に関しても言及している。インダストリー4.0の目標は、工業「自動化」を中心にするインダストリー3.0から製造の「スマート化」へレベルアップすることだが、中国とドイツの生産能力にはかなり大きな差があり、現状中国の産業レベルはインダストリー3.0にさえ達成していといえる。一方で、クラウドコンピューティングとIoT技術を促進することで、インダストリー4.0と同じ水準となるべく中国製造2025も強化していくというのだ。
中国製造2025が重要視する「製造のスマート化」とは
現在、中国は製造「大」国と呼ばれているが、まだ製造「強」国はなれていないと考えられている。中国製造2025が重要視する製造のスマート化とは、最先端の情報通信技術と製造技術を利用して、自主的に社会の生産需要に適応して、製造システムの一体化を目指す戦略のことだ。
まだIoTが発展していないころは、製造のスマート化に向いている製品の分野は狭かった。しかし現在、新たな製造手段と情報通信技術の発展と共に、ウェアラブルデバイス、スマートロジスティクス、スマートホーム、スマート医療、スマートサービスなどの分野で、スマート化が広がっている。さらに、人工知能、ビッグデータ、IoT及びクラウドコンピューティングなどが含まれた、多くの方向へ拡張している。そして最終的には、別々に管理されていた生産プロセスは、今後全てが繋がるエコシステムに発展し、生産多様性と効率化の実現を目指している。
次回、中国製造2025の現状をみていく。
Source:中国財政部
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