本日より東京ビッグサイトで開催されている第一回 スマート工場EXPOだが、スマート工場を銘打っているだけあって、様々な企業がいろんなレイヤーのソリューションを展示していた。
レポートの第一回目は、シーメンスとFAプロダクツを紹介する。
シーメンスのデジタルツインの活用
スマートファクトリーでは、工場のラインやロボットなど取得可能なデータをデジタル上で展開して、リアルで起きることを再現する場合がある。
シーメンスでは、このデジタルツインと呼ばれるデジタル上で展開されたリアルの状態を利用して、リアルで起きることをシミュレートするという展示がされていた。
リアルと一言で言っても、ロボットなど産業機器のレイヤー、ラインのレイヤー、工場全体のレイヤーと様々なレイヤーでの事象を取得することが可能だが、シーメンスではこれらのレイヤー全てに対してソリューションを提供しているというのだ。
シミュレーションを駆使して綿密に事前検証を行った上で、リアルで起きたこととの差分を取得、継続的な改善を行っていくというサイクルを実現するという。
デジタルツインにおいて重要なことは、製造ノウハウ自体もデジタル化し、このモデルに入れ込んでいくことだという。
FAプロダクツの振動センサーまで取り込んだソリューション

IoTプラットフォームは多くあるが、実際の機器の情報を取得するところまでを取り込んだサービスは少ない。
今回のFAプロダクツの展示では、6軸振動センサーを活用して、動力の振動を詳細に取得することができるソリューションについて説明がされた。
具体的にドライポンプの事例が紹介され、約6,000万円かかっていた年間修繕費用の20%の削減を実現できたというのだ。
単純に動力といっても、モーターやギア、軸受けなど様々な部品から構成されていて、それぞれの部品の振動状態を取得することが重要だと代表取締役社長の貴田氏は言う。
センサーをぺたりとつけたところでこれらの情報を細かく取得し、正常な状態を機械学習する、その上でリアルとの差分を取得することで故障の予知を行うということだ。
リアルの状態を取得し、デジタル情報として取り込み分析することで、予知保全を行うことができる。さらにそういったノウハウを工場機材の3Dデータなどに取り込んでいくことで、工場全体のデジタルツインを活用することでシミュレーションをすることもできる。
こういったことは、以前よりIoTの文脈としていわれてきたことだが、これらの例をみてかなり具体的に進んできていると感じた。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。