オムロン株式会社は、生産現場において熟練の作業者が担ってきたヒーター等の温度パラメーター調整をAIで自動化する、「温度調節器E5CD/E5ED」と「包装機用温度センサー E52-CA□AY S□」を4月3日から発売する。
「E5CD/E5ED」は、オムロン独自の温度調整アルゴリズムを搭載し、これまで熟練作業者が、生産品目や材料配合の変更など生産状況の変化に合わせて、経験と勘を頼りに行ってきた温度パラメーター調整を自動的に行う温度調節器。
近年、生産現場では、製品の多品種化によりモノづくりが複雑かつ高度になる中、最適地生産の観点から新興国への生産移管が進み、作業者の技能不足に起因する不良発生や生産性の低下が深刻になっている。なかでも、成形工程や包装工程では、生産品目の変更ごとに行うべき調整ができず、温度に起因する品質低下を避けるために、装置の運転速度を落としたり、検査に掛ける工数を増やしたりと、生産性が犠牲にされているという。
そこで、オムロンは、長年培った温度制御のノウハウを生かし、「適応制御技術」をはじめ成形機や包装機向けの温度調整アルゴリズムを搭載した「E5CD/E5ED」を開発。「E5CD/E5ED」は、ヒーターの起動に合わせ常に最適な値にパラメーターを自動的に更新するなど、人手による調整作業を不要にしながら、各種装置の高速運転を実現し、生産性を低下させることなく、品質の維持・向上に貢献する。
主な特長は以下の通り。
- 「適応制御技術」により常に最適な温度制御を自動で実現
常に最適な値に設定を自動更新することで、ヒーターの立ち上げ時間を短縮。また、設備のシステム変更など環境変化によって、急な温度変化が発生しても、最適な値にパラメーターを調整するため、不良品の発生を抑制。 - 包装機向け表面温度センサーとアルゴリズム「自動フィルタ調整機能」で調整作業を削減
包装材のシール面の温度を正確に測定できる包装機用温度センサーを新たに開発。測定した値を基に、ヒーター温度の変動を抑制する「自動フィルタ調整機能」を搭載。包装速度や包装材料の変更に伴う調整作業を大幅に削減。 - 成形機向けアルゴリズム「水冷出力調整機能」で生産能力を最大化
「水冷出力調整機能」によって運転速度や材料配合、冷却水の変更など、システム変更に起因する、温度の“揺れ”を常時把握し自動的に抑制。成形機が持つ生産能力を最大化する。
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・オムロン(OMRON)
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