日本電気株式会社は、IoTを活用した次世代ものづくりを支えるソリューション「NEC Industrial IoT」のラインアップとして、AIを活用した目視検査ソリューション「AI Visual Inspection」(エーアイ・ビジュアル・インスペクション)を追加し、本日6月21日から販売を開始した。
「AI Visual Inspection」は、NECの最先端AI技術「NEC the WISE」の1つである「RAPID機械学習技術」(※)を活用して、対象の製品画像(X線画像を含む)をもとに、金属や樹脂・ゴム等の部品加工業の製造ラインなどにおいて、高速な検査を実現。これにより、従来人手で行っていた検品業務工数をおおよそ1/2程度に削減するとともに、製造品質の均一化を行うことができるという。
これらの取り組みを通じて、IoTを活用した「Process Innovation:プロセス・イノベーション」、「Product Innovation:プロダクト・イノベーション」を実現し、日本の製造業の競争力強化に貢献するという。
これまで製造業における完成品の目視検査の多くは、高度なスキル・ノウハウを有する技術者を必要としており、人手不足や技能の伝承が大きな課題となっていた。一方、製造業におけるAI・IoTの活用は実証から実装段階を経て実践へと急速に加速しており、ノウハウの共有やICT技術を活用した業務の効率化が進んでいるという。
今回NECは、顧客のニーズを把握してAI・IoTによる検品業務の省力化を行うソリューションを開発し、製造品質の均一化に貢献するとしている。
同ソリューションによる具体的な検品方法は、以下の通り。
- 製造現場の検査工程にある製品を撮影し、撮影した画像データをNECのIoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」上に構築したクラウドに保存・蓄積。
- この画像データを用いてクラウド側のAIが、製品の良品・不良品の特徴量を自動的に抽出・分析(学習)。この結果をもとに、良品・不良品を判定するモデルを生成し、このモデルをクラウドから現場に設置した端末(Edge)へ配信する。
- 現場端末に内蔵されたAIが、配信されたモデルに基づき、製品の良品・不良品の判定(解析)を、1個あたり数秒程度の速さで行う。
製造ラインに新たな製品が追加された場合でも、クラウド側のAIが新製品の特徴量を自動的に学習し、判定のためのモデルを更新するため、追加の設計・開発作業を軽減することができるという。また、上記1)および2)において、クラウド側のAIの機能を現場側に持たせる、オンプレミスでの対応も可能だという。このため、自社内・生産拠点内に閉じた運用をされたい顧客も利用できる。
同ソリューションにより検査業務を自働化し、同一の基準で良品・不良品を判定できるため、検査の省力化と製造品質の均一化が可能としている。
※RAPID機械学習技術:
ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習するため、データの分類/検知/推薦などの高精度な判断が可能。また、NEC北米研究所の独自技術により、分析エンジンの高速化と軽量化の両立を実現。これにより、大規模なマシンリソースを必要とせずにサーバ1台から分析処理ができるため、幅広い業務や企業への適用が可能。
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・日本電気(NEC)
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