エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下 NTTコムウェア)は、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)とのソリューション連携により、「Deeptector」《産業用エッジAIパッケージ》の販売を開始した。
「Deeptector」《産業用エッジAIパッケージ》は、日本HPが産業用に提供しているハードウェアに、NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」をプリインストールし最適化したものだ。また画像処理を行うGPUにはNVIDIAの「TESLA P4」が搭載されている。
なお、「Deeptector」はNTTグループのAI 「corevo」を構成するNTTコムウェアの「市販ビデオカメラ画像を用いた道路不具合自動検出技術」「汎用カメラ画像対応リアルタイム人物検出」「画像不適切度合い判定技術」などの各技術で共通に利用されるAI技術をプラットフォーム化したものである。
背景
NTTコムウェアは「Deep Learning画像認識プラットフォーム」《インストール版》を本年3月1日から、「Deep Learning画像認識プラットフォーム」《クラウド版》を本年6月30日から販売し、AIのビジネス活用を支援している。
特に「監視・検閲」「保全・点検」「製品検査」の分野に注力してきたというが、「製品検査」はオンプレミスでの利用ニーズが高い一方で、振動や温度変化といった、工場に代表されるような環境に適応する動作条件が求められる。
今回、厳しい動作条件下でも耐えうる「Deeptector」《産業用エッジAIパッケージ》を提供することで、画像を社外に出すことなくAIを活用し、製品外観検査を自動化できるようになる。また高速な画像判定処理が可能なため、製造ラインのスピードにも対応する。
また同パッケージは、近年注目が集まるIoTソリューションにおけるエッジコンピューティングのAI機能としても利用可能。販売中の「Deeptector」《クラウド版》と組合せて利用することで、幅広いソリューションの展開が可能となる。
「Deeptector」《産業用エッジAIパッケージ》の特長
1. AIをすぐに利用開始できる
ソフトウェアのインストールやライブラリ類の組合せなどの作業は不要。学習用画像を用意すれば、すぐにAI作成を開始できる。
2. 耐環境性能とパフォーマンスのバランス
工場や配送センタなどの高温環境でも24時間運転可能な運用を想定した仕様のハードウェアになっている。また、工場での運用を想定した仕様を選定している
3. 「Deeptector」《クラウド版》との連携利用
高いパフォーマンスを必要とする学習過程は「Deeptector」《クラウド版》で行い、作成されたAIを複数拠点に設置された「Deeptector」《産業用エッジAIパッケージ》にマルチキャストして判定機能をアップグレードするような、「Deeptector」《クラウド版》との連携した利用も可能。
※「Deeptector」《クラウド版》の利用料金、ネットワーク費用は別途必要。
技術仕様
- ハードウェア:HPE Edgeline EL1000 Converged IoT System
- Edgeline EL1000 筐体 +ProLiant m510サーバーカートリッジ x 1
- NVIDIA TESLA P4
- 8コア インテルR XeonR D-1548 2.0GHz-2.6GHz(Turbo)
- 32GBメモリ、2TB SSD (SoftwareRAIDで使用、実効1TB)
- USB3.0 x 4、PCI-e Gen3x8 x 2、1GbE RJ-45 x 2、SFF ドライブベイ x 2
- HPE iLO4 および専用RJ-45 x 1
- オプションとしてOPCサーバ用Gateway (EL10)
- ソフトウェア:NTTコムウェア「Deeptector」《インストール版》
- サービス:導入支援サービス
ユースケース例
【関連リンク】
・NTTコムウェア(NTT COMWARE)
・ヒューレット・パッカード(HP)
・エヌビディア(NVIDIA)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。