ラティス・テクノロジー株式会社は、製造設備の機構を検証するパッケージ「XVL Kinematics Suite」と、製造設備の制御ソフトを仮想検証するパッケージ「XVL Vmech Simulator」の最新版を2018年1月18日にリリースすると発表した。
両パッケージでは、現物を点群モデルとして取り込み、PLCで制御された3D設計新設備の仮想モデルと統合することで、制御ソフトと設備の精緻なシミュレーションを実現するものだ。
第4次産業革命が進行する中、製造業の設備開発においても、開発や保全業務のITによる効率改善が急速に進んでいる。ところが、製造現場には生産性の低い古い設備が多数存在するため、その効率的な改修・改善が大きな課題となっている。
実際には、設備の一部を新しい設備に置き換える作業が必要になるが、古い設備にはデジタルデータが存在しないために、事前のデジタル検証ができず、現地で問題が噴出するという課題があった。
ラティスは、現地で起こる課題を事前にデジタル検証するため、製造設備の機構を検証するパッケージ「XVL Kinematics Suite」と、設備の3Dモデルを活用して制御ソフトを仮想検証する「XVL Vmech Simulator」を提供してきた。
最新版では、デジタルデータの存在しない既存設備と、3Dで設計された新設備の両方をデジタルで表現し、PLC上の制御ソフトで稼働させながら検証することを実現した。
既存設備は3Dスキャナで点群としてデータ化し、この表示と動的干渉、計測、機構定義、PLCによる動作制御を可能にしている。
既存設備と新設備を統合したデジタル検証が可能になることで、設備開発プロセスのフロントローディングが促進され、製造設備の上流工程での品質造り込みを実現できる。
この結果、マーケットが必要とする製品を、タイムリーに製品出荷し、高品質な設備による安定生産といった、競争力の高い工場の垂直立ち上げの実現が期待される。
【関連リンク】
・ラティス・テクノロジー(Lattice Technology)
・XVL Kinematics Suite
・XVL Vmech Simulator
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。