グローバル展開を視野に入れた開発
そしてIoTNEWS 小泉はグローバル展開に話を向け、なぜグローバル展開をしていったのか中西氏に聞いた。

中西氏は、会社設立当初から世界中に広がるプロダクトを作る目的で作ったという。
しかしD Freeが世界中に広まったきっかけは意識的に行ったのではなく、あるイベントでの登壇を日本のメディアが取り上げ記事を書いたところ、英訳され拡散され、世界中から問い合わせが殺到し、英語圏でない方からの問い合わせもあったという。
そこから海外進出していく際、どこの国で販売していくかの決め手は、「各国のニーズを満たしているかどうか、マーケットはあるのか、大きな事業者やカントリーマネージャーなどとの関係づくりができるかどうかなどを考慮し決めていく」と語る。
小泉がヨーロッパの中でもパリに支社を出した理由を聞くと、中西氏は、「ヨーロッパの大陸では介護事業者大手のほとんどがパリに集中しているからだ」と話す。営業の際もイベントに出展し、介護業者と対面で話し、導入をしてもらうという流れだ。
一方アメリカでは問い合わせからの成約が多いため、電話対応もできるようにサンディエゴに拠点を持ち、電話番号を持ち営業を行なっているという。
国や地域ごとの文化や状況を把握し、それに合わせたアプローチをしているということだ。
世界共通のニーズと浸透させるための課題
続いて小泉が、日本での発売もまだの段階で、LOVOTのグローバル対応を2020年に掲げている理由を村山氏に聞いた。

村山氏は、GROOVE Xの目的がプロダクトを作ることではなく、産業を興すことを目的にしていたため、グローバル展開は当初から意識していたという。
しかし初めは実用的なことを求めるアメリカで、ロボットが情緒に訴えかけるというサービス自体が受け入れられるか心配だったが、CESでの反応を見て早めに参入する必要があると感じ、急ピッチでグローバル展開に持ち込んだという。
「まずはアメリカ、中国と市場の大きな国に展開し反応を見て、その後さらに販売国を広げていきたい」と語った。
その際課題と感じているのが販売の立て付け部分だという。
「LOVOTは触れ合ってこそ価値がわかるものだと考えているため、触れ合う機会の場をどう展開していくか模索している」と語った。
次ページは、「日本とアメリカでの戦略の違い」
無料メルマガ会員に登録しませんか?

現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。