近年、多種多様なIoT家電やIoT機器などが登場している。一方で、消費者が必要とするサービスが十分提供できているとは言えず、「インターネットにつながる」ことに対するメリットを実感しづらい点やセキュリティ・プライバシーに対する懸念などから、実際に身近にある家電等をインターネットに接続して利用している消費者は限定的となっている。
こうした状況を打開するため、一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下、SII)は、IoT家電・機器から得られる生活データを活用した新たなサービスの創出・普及を目指して、経済産業省平成30年度補正予算「生活空間におけるサイバー/フィジカル融合促進事業費補助金」を実施している。
同事業は、ネットワークに接続された複数の機器から得られる消費者の生活データを分析し、消費者にサービスを提供する複数の事業者に当該データを提供する機能を有するプラットフォームと連携したサービスとの利用契約を行った消費者に対して付与するインセンティブ費用(ポイント、ディスカウント等)の一部を補助するものだ。同補助金では、労働に充て得る「時間の創出」につながる家事負担軽減等のサービスを提供する事業を対象としている。
今回、同事業の一環として、IoT家電・機器を活用したサービスの利用契約を行った消費者に対して、ポイント、ディスカウント等の特典を付与する事業を「LIFE UP プロモーション」とし、2019年10月1日から各社で事業が開始する。「LIFE UP プロモーション」参画コンソーシアムは以下の通り。
- 幹事社:シャープ株式会社
KDDI株式会社、セコム株式会社、株式会社tsumug、静岡ガス株式会社、中部テレコミュニケーション株式会社、セコムトラストシステムズ株式会社宅内に設置された複数のスマートライフ家電やネットワークデバイスから収集した生活データを利活用することで、ユーザーの家事負担軽減、時間の創出を目指す。
例えば、テレビ、冷蔵庫などのスマートライフ家電と連携して稼働状況を把握することで、留守宅の子供の帰宅や、離れて暮らす家族が元気に暮らしていることを、さりげなく見守れるサービスを実現する。また、スマートライフ家電の利用履歴から、ユーザーの好みや習慣を学習し、生活状況に応じたおすすめや自動制御などのサービスを実現する。
- 幹事社:キーウェアソリューションズ株式会社
グローバルキッチン株式会社、株式会社アコーズ、株式会社エー・アンド・デイ、テルモ株式会社、日本精密測器株式会社、山佐時計計器株式会社個人の健康をより良くするために、本人だけでなく企業やサービスからも支援するための仕組みを提供し、QOL向上を目指す。基盤システムとなる「健康からだコンパス LifeRoute」は、個人の健康情報を、スマホアプリを用いて記録し、対応する健康機器から自動でデータを登録する事で、日々のデータ登録の負担を軽減し、正確なデータを記録する事ができる。
また、毎日の食事や服薬等のライフログも画像と一緒に記録が可能な為、数値による健康状態の把握だけでなく個人の嗜好や生活などにも配慮した効果的なアドバイスやサポートサービスが受けられる。併せて登録した健康情報を統計データとして参照可能な仕組みもあり、企業や団体が持つコンテンツを活用して、より簡単にコンテンツサービスを始めることができる。
- 幹事社:大阪瓦斯株式会社
西部瓦斯株式会社、アイシン精機株式会社、株式会社ノーリツ、リンナイ株式会社、パーパス株式会社、株式会社オージス総研、関西ビジネスインフォメーション株式会社家庭に設置されたガス機器の運転に伴うデータを活用し、快適な生活に寄与するレコメンドサービスの提供を行う。サービスの提供は、関西エリアでは大阪瓦斯が行い、九州北部エリアでは西部瓦斯株式会社が行う。現体制のコンソーシアムが提供する機器はガス機器(エネファーム、エコジョーズ)だ。
なお、「LIFE UP プロモーション」の対象は、2019年10月1日~2020年1月26日の間で対象サービス(※1)の利用を開始し、1ヶ月以上サービス契約・データ提供が継続しているもの(※2)だ。
※1 対象サービス一覧はこちら
※2 提供事業者において、上記以外の条件が設定されている場合がある。
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