近年、女性の悩みを解決すべく様々なスタートアップがフェムテックへ取り組みを開始し、関心が高まっている。
海外においては、既に日本よりもフェムテックに関する取り組みは多く、世界を見渡せば、女性に対する性的嫌がらせと暴力に対処し、職場での平等を促進する#MeToo運動やTime’s Up運動もさかんになり、その運動は日本国内でも注目され始めた。
基礎体温計測をより簡単に
基礎体温に関するソリューションは、IoTNEWSでも既にいくつかとりあげていたので紹介したい。
ピノ・アソシエイツの「ペアリズム」、基礎体温データをスマートフォンにワイヤレスで転送可能に
トッパンフォームズ、ウェアラブルデバイスを活用したヘルスケアIoTサービス「わたしの温度」を開発
毎日決まった時間に計測・記録する必要がある基礎体温は、仕事をしている女性ならば同じ時刻に計測が難しかったり、計測する時間がなかったりということもある。ウェアラブルデバイスなどを使用した睡眠中に計測できるソリューションであれば、朝の忙しい時間帯でも計測と記録に時間をとられる必要もない。
不妊治療を身近に、手軽に
さらにフェムテックは、当事者である女性自身だけでなく、また子供を望む夫婦にとっても大きな力になるはずだ。
不妊治療をうける夫婦にむけて、様々なソリューションがうまれてきている。厚生労働省の調べによれば、「特定不妊治療支援事業 支給実績」だけで見ても平成16年度からの10年間で約9倍にまで増加している。また不妊治療は自費では30~60万円ほどかかるともいわれており、費用面はもちろん女性の心身にも負担が大きな治療のひとつだ。
そんななか、不妊治療に対する取り組みをおこなっているソリューションやサービスを紹介したい。

famioneでは、LINEで不妊症看護認定看護師を中心とした専門家チームより、事前に入力した不妊治療に対するアドバイスを無料でもらうことができる。
また相談できるのは、女性だけでなく男性も可能だ。また、月額3,980円で病院選びまで複数回サポートしてもらうこともできる。(1回目までは無料)婦人科への来院のハードルを下げることができ、また適切なアドバイスを専門家からもらえるということもあってメリットは大きい。

Inneはドイツのスタートアップだ。自宅において、唾液から妊娠や避妊のためのホルモン状態を検査することができるソリューションを開発している。現在、資金調達後臨床試験をすすめているとのことで、まだ活用には至っていないが「痛くない、高くない不妊治療」の実現はさほど遠くないのかもしれない。
この分野においては、多くの女性の実体験が今まで見える形で語られてこなかったこともあり、痛みや辛さといったものを共有できる場も少なかった。今でこそ、SNSの普及に伴って同じ思いを共有することは容易になったが、特に異性間での理解と共有まではまだ道のりは遠いと感じる。歩み寄りの一つの手段として、このようにテクノロジーが積極的に取り込まれていくことを期待したい。
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