テクノロジーで、睡眠の質を高める取り組み「スリープテック」が現代社会の睡眠不足問題を解決してくれるかもしれない。
厚生労働省が発表している平成29年「国民健康・栄養調査」において、「ここ1ヶ月間、睡眠で休養が十分にとれていない者」の割合は 20.2%と、平成 21 年からの推移でみると最も高い割合を示した。スリープテックという言葉が生まれる前は、オーダーメイド枕や、低反発マットレスなど眠りを改善する様々な商品が生まれており、筆者も、オーダーメイド枕を利用したこともあって、眠りの重要さは日々の健康管理のうえで非常に重要な時間だと感じている。
スリープテックは、現代社会における睡眠不足であったり、眠りが浅いといった睡眠の質低下など睡眠に関わる課題をテクノロジーで改善しようとする取り組みだ。既にさまざまなスタートアップもこの課題に取り組んでおり、スリープテックイベントも活発に開催されている。
厚生労働省も取り組む、眠りに関する問題
厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠指針 2014」では、良質な睡眠をとるためには健康的であることや、睡眠の質を下げることは仕事における効率低下だけでなく、ヒューマンエラーを発生させる原因となるなどの注意喚起を行っている。今では、眠りになんらかの問題を抱えている個人だけでなく、企業としても仕事の効率化や離職率を下げるため、働き方改革における取り組みの一環として取り入れており、「眠りに関する問題」へ少しずつ関心が高まってきたといえる。
では、そんな眠りに関する問題を、テクノロジーで解決すべく取り組んでいる企業の一例を紹介したい。
SmartSleep-フィリップス・ジャパン
フィリップス・ジャパンは2019年11月7日に「SmartSleep ディープスリープヘッドバンド」を日本展開することを発表している。
このヘッドバンドを装着することで、睡眠におけるノンレム睡眠時でも最も深い眠りのタイミングにおいて、オーディオトーンを流す。このオーディオトーンのタイミング、音量といったものは睡眠の状態に合わせて自動で調整される。そのため、最も体が回復可能なときに効率よく回復させるためのヘッドバンドというわけだ。また、このヘッドバンドは、携帯のアプリとも連携が可能なため、自分の睡眠におけるリズムなどをトラッキングすることも可能になっている。
日本人は全世界的に見ても、睡眠時間が少ない。その少ない睡眠時間でいかに休息をとるかにアプローチしたプロダクトだ。
Active Sleep BED-パラマウントベッド
睡眠改善といえば、すぐに思いつくのは寝具の改善かもしれない。
パラマウントベッドでは、睡眠を快適にするIoTベッドを発表している。日々の眠りを「Active Sleep ANALYZER」というマットレス下に設置したセンサーでセンシングし、心拍、呼吸、体動などからユーザーをモニタリングして眠りを採点する。また、センシングしたユーザーの状態から「入眠時」「熟睡時」「起床時」それぞれの睡眠状態に合わせて角度が自動で変化させるといったものだ。
また、「Active Sleep ANALYZER」は、「Active Sleep App」とも連携して、自分の眠りに関するデータを見ることが可能だ。センシングした心拍、呼吸や、また採点された眠りの質など、眠っていればそのアプリへ連携される。
睡眠家電-Panasonic
パナソニックでは、アプリの「おやすみナビ」と家電を連携し、睡眠時間をより快適にすごすための家電を提供している。既に睡眠家電のショールームも「& Panasonic」内において展開している。
Dyson Lightcycle-Dyson
明かりをシーンだけでなく、自分のプロフィールから最適なライティングをおこなってくれるDysonのライトにも注目したい。
Dyson Linkアプリでは、自分のプロフィールを設定すれば、ダイソン独自の自然光アルゴリズムが日付、時刻とGPSデータから、現在地の自然光をトラッキングしてくれる。日の入り、日の出の時刻を取得し、睡眠と自然な目覚めを自然光に限りなくちかいLEDライトでサポートしてくれる。
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