日本調剤は1月18日、ツクイと、ツクイのデイサービスを利用者に対し、日本調剤のオンライン薬局サービス「NiCOMS(ニコムス)」を使ったオンライン服薬指導サービスの提供を3月から開始すると発表した。
「NiCOMS」は、日本調剤が自社開発した、無料で利用できるオンライン服薬指導システム。予約機能、ビデオ通話機能、支払い機能を備えており、全国の日本調剤の薬局で運用している。今回、ツクイのデイサービスの利用者がデイサービス利用前後の時間に「NiCOMS」を活用することで、オンライン服薬指導から処方薬の受け取りまでが可能になる。
デイサービスでは、スタッフによるタブレットの操作サポートや、利用者が同意の上で、ケアマネジャー、介護スタッフ、看護師などの専門職がオンライン服薬指導に同席。薬剤師と連携することで、高齢者の服薬管理や服薬適正化などに生かす。
日本調剤とツクイが要支援から要介護までの高齢者65名を対象に行ったアンケートによると、約8割の方が月に1回以上通院と処方薬の受け取りをしており、受け取り方法については約7割が家族やヘルパーのサポートを得ているということがわかった。
また、ケアマネジャー1人が担当する高齢者の平均人数27.6人のうち、約3分の1にあたる9.3人が「薬を飲んだことを忘れてしまう」「飲み忘れや飲み残しによる残薬が常にある」などの服薬に課題を抱えているというデータもあるという。
そこで、2社は独居世帯や高齢者世帯が増加する中で、適切な服薬管理や服薬適正化が高齢者の在宅生活の延伸につながるものと考え、2022年8月から日本調剤の花小金井北口薬局(東京都小平市)と泉山手台薬局(横浜市)、ツクイのデイサービス「ツクイ小平花小金井」「ツクイ横浜中田」で3か月の実証を実施。
実証後のヒアリングでは「ケアマネジャー、家族が半日かけて関わっていたものが、予約のため待たずに対応できた」「自分の服薬状況を正しく伝えることができず、介護スタッフによって伝えることができた」「ケアマネジャーより在宅にて飲み忘れが増えたことを伝え、一包化し日付を付けることで服薬状況の改善につなげられた」との声があったことから、サービスを導入することにした。
サービスは3月に11か所で提供を開始。その後、提供事業所を随時増やしていく予定としている。
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