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メディカルテックは、デジタルバイオマーカーの高度化と多様化の波 ーCES2023レポート

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「デジタルバイオマーカー」という言葉をご存知だろうか。これは、デジタルデバイスを介して取得する日常の行動、生理状態、社会活動などのデータのことだ。

現在、さまざまな手法で、日常的なカラダの状態を取得し、可視化、医療に役立てようと医療関係デバイスが開発され、国ごとに異なる承認プロセスを経て市場に投入されようとしている。

そこで、CES2023で展示されていた、メディカルテック技術について紹介していく。

心音と肺音が1台でわかる、スマート聴診器、Smartsound 「Skeeper R1」

Smartsound Skeeper R1
Smartsound Skeeper R1

一つ目は、韓国Smartsoundの、「Skeeper R1」だ。

CES2023で初お目見えの、オールインワン エッジ AI スマート聴診器で、心雑音と肺音を識別して監視することができる。

Skeeper H1の場合、聴診器機能はあるが、スマホなどとの接続を前提としていて、独立して動作することができない。

Smartsound Skeeper H1
Smartsound Skeeper H1

在宅医療や遠隔医療のために作られていて、ディスプレイ下部を持ち、反対側にある聴診器を胸に当てて利用する。データは、リアルタイムで取得することができ、AIが監視してくれるのだ。

また、SkeeperにはP1と呼ばれるパッチ型のモデルも準備されていて、こちらは、カラダに直接貼り付けて監視するものだ。

Smartsound Skeeper P1
Smartsound Skeeper P1

ソウル大学ブンダン病院の EMR システムや、高麗大学安岩病院を含む国内の 10 の総合病院と協力して、デバイスの性能に関するデータを収集している。

高血圧性疾患の治療を最適化する、「CONNEQT」

CONNEQT

CONNEQT Pluseは、家庭用血圧計だ。2023年初頭に米国FDAの承認を待っている状態で、リリースされれば、医療専門家および患者向けのデバイスに組み込んだ「動脈ヘルスモニター」として上市される。

動脈硬化など、さまざまな血管に関する健康管理ができるようになるということだ。

CONNEQT Pluseは、専用のアプリを使うことで、動脈の状況を可視化できるだけでなく、HIPAA準拠のクラウドプラットフォームを活用することで、遠隔監視を行うことも可能になる。

家庭用から遠隔医療まで対応可能なCONNEQTのエコシステム
家庭用から遠隔医療まで対応可能なCONNEQTのエコシステム(出典:CONNEQT)

特定の病気、例えば、アルツハイマー病のリスクがある患者は、脳の健康の重要な指標である中心脈圧と動脈硬化の表示を優先したい、となるが、このアプリを通してパーソナライズされた設定をすることも可能になるのだ。

自宅で手軽に尿検査できる、WITHINGS 「U-Scan」

WITHINGS U-Scan

尿には多くの情報が詰まっていると言われていて、病院にいった際や健康診断でも尿検査を行うことが多い。フランスのWITHINGSは、尿検査を行うデバイスを発表していた。

人は1日に平均7回排尿するが、尿の分析は通常1年に1回しか行われない。WITHINGSは、プライバシーに守られた自分の家のトイレでバイオマーカー評価ができるようになることで、この状況を変えたいのだ。

手のひらサイズのデバイスに、尿をかけると、水などの外部の液体と尿を区別し、サンプルを抽出。化学反応とセンサーにより尿の状態を可視化するのだ。化学反応を使うバイオマーカー分析の方は、専用カートリッジを交換しながら使うこととなる。

データはWi-Fi経由で専用アプリ「Withings Health Mate」に送信され、そこから結果を確認したり、もし何か異常があれば医師にデータを送り相談できるという。

Nutri Balanceと呼ばれる栄養・水分補給カートリッジは、尿のpHバランスやケトン体といったバイオマーカーを調べて「水分補給状況」「野菜やタンパク質、炭水化物の摂取状況」「ビタミンCレベル」どの情報をアプリに送る。

ユーザーはアプリに、食事の際の品目や量を記録して、体調と併せた食事レシピやワークアウトの設定ができるということだ。

また、Cycle Syncと呼ばれるカートリッジでは、卵巣に作用する黄体形成ホルモンのレベルを測定、月経周期や排卵期を特定できるということだ。

ヨーロッパの認証と米国FDAの認証を通過することで、医療用のデバイスとして利用可能にしていく想定がある。

インプラント手術を手伝ってくれるロボット「Yomi Dental Robot」

yomi

インプラント手術において、ドリルを使った穴を開ける作業の正確性には技術力が必要になる。

Yomi Dental Robotを利用すると、穴を開けるべき位置を正確に設定したら、その状態では他の方向に動かせなくなるので、きちんとした穴を開けることが可能になるのだ。

もちろん、患者が動くことはあるのだが、患者とドリルとの位置関係をドリルのセンサーで把握しているので、患者が体を動かした場合、ドリルも患者に追従して動くのだという。

在宅視力検査機「EyeQue」

在宅視力検査機「EyeQue」

視力検査は、年に一度、健康診断の時だけ、という人は多いだろう。しかし、働かなくなたり、何らかの理由で健康診断を受けていない人が、自宅で視力検査をする仕組みはなかった。

EyeQueは、コロナ禍においても、非接触で視力検査を行い、その結果に基づくメガネの購入までがワンストップで行えるというものだ。

私の場合、コンタクトレンズをしていて、コンタクトレンズ購入の際の健診が面倒だと思っていたので、目に傷がないか、眼圧測定などまでできるようになると嬉しいなと感じた。

ヘルステックとは二極化の様相

メディカルテックは、ヘルステックとは異なり、国ごとの認可を取得しなければいけない。それだけに、医学的なエビデンスや裏付け、データが必要となる。

デジタルバイオマーカー的なものはヘルスケアの業界でもたくさんあり、軽いところではウエアラブルデバイスをつけるだけで活動量計になるといったことについては、すでに経験した方も多いだろう。そういったデバイスも、徐々に高度化し医療向けでも使えるデバイスが登場してきている。

また、コロナ禍で在宅医療や遠隔診断なども、注目を集めたこともあり、わざわざ病院にいかなくてもよい、医師のスキルに治療が左右される、といったこれまでの課題をデジタル技術で補うテクノロジーは、今後も増えてくる。

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