【概要】
■2018年第1四半期の世界AR/VRヘッドセット出荷台数は124万台
■2022年通年の出荷台数は6,594万台と予測
■国内の2018年第1四半期は6.2万台、2022年通年は114万台と予測
IT専門調査会社 IDC Japan株式会社は、2018年第1四半期(1~3月)のAR (Augmented Reality) / VR (Virtual Reality)ヘッドセットの国内/世界出荷台数、および2022年までの世界市場規模予測を発表した。
IDCの調査によると、2018年第1四半期のAR/VRヘッドセットの世界出荷台数は124万台となった。これは前年同期より30.5%の減少だ。
この理由は、スクリーンレスタイプのヘッドセットのスマートフォンなどへのバンドルが今四半期は減少したことによるものだという。2017年はハイエンドのスマートフォン購入者にこのタイプのヘッドセットを無料バンドルすることが幅広く行われていたが、本年初頭からはそれがほぼ終わりつつあるためだ。
このような背景で第1四半期が前年比マイナス成長となった2018年だが、ビジネス向けAR/VR市場をターゲットとするベンダーが増えることが見込まれることや、Oculus Goのような低価格スタンドアロンタイプVRヘッドセットが店頭に並ぶことから、今後は市場全体が成長軌道に戻るとIDCは予測している。
IDCは、AR/VRのヘッドセット市場全体が2018年は前年比6%増の887万台に達すると予測。この成長基調は今後も続き、2022年は合計6,594万台に達する見込みだ。
「VRに関して言えば、Facebook (Oculus)はVRに関する全ての問題を解決したわけではないが、Oculus Goのようなデバイスは今後のVRヘッドセットに対して消費者に期待を抱かせるのに役立っていることもあり、有望であると思われる」とIDC Mobile Device Tracker シニアリサーチアナリスト ジテシュ・ウブラニ氏は述べている。
続けて、「今後に目を転じれば、消費者はより低価格で、より使いやすい製品を期待すると言えるだろう。ゲームメーカーやハリウッドの映画スタジオ、あるいは職業訓練機関などのコンテンツが増えていることを考え合わせれば、VR普及の未来は明るい」と述べている。
ARヘッドセットについては、レノボのStar Wars:Jedi Challengesなどを通じて、多くの消費者がこのテクノロジーを実際に体験している。IDCは、このスクリーンレスタイプの製品が今後短期間、市場をその出荷量においてリードすると考えているという。
一方、スマートフォンを用いないARヘッドセットに関しては、ビジネス用途での使用がさらに広がり、現在製品を発売しているベンダーも次世代の新製品を今後投入するため、IDCは2019年までに市場の規模がより大きなものになると見ている。2019年から2022年にかけては年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が100%を超えると予測している。
「ARを巡っては、より多くの企業がソフトウェアやサービスを開発するために必要な作業を開始しており、成長に向けての気運が盛り上がりつつある」と米国IDCデバイスおよびAR/VRリサーチ プログラムバイスプレジデントのトム・マイネリ氏は述べている。
また、「一方、Magic Leapやマイクロソフト、その他の多くの企業から新しいヘッドセットが登場することが強く待ち望まれている。だが、これらのデバイスが期待に応えるためには、新たな、これまでのものとは違うアプリケーションの開発者が必要である。というのも、これらアプリケーションこそが消費者向け、ビジネス向け両方でユーザー体験の新たな領野を開拓するからだ」と述べている。
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・IDC Japan
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